第185話 出発
全員の集合が完了し、なんか開会式みたいなのが始まった。
先生や学年代表の話がありで30分ほど使い、バスに乗り込む。
相変わらず周りからの熱い視線を浴びつつ、俺たちを乗せたバスは出発する。
うん……。この席順絶対おかしい!
これ、絶対合コンみたいな座り方じゃん!
一ノ瀬、郷田、真昼、俺、村瀬である。
うん、この席順を提案した郷田さんパネーっすわ。
欲求丸出しだな。
周りからの視線も全然理解できるわ。
と、まあ、合コンみたいに男女が交互に俺たちは一番後ろの列、リア充が座るような席に座っていた。
まあ、真昼や一ノ瀬、村瀬や郷田はヨウキャだし、座ってるのはわかるんだけど、俺の場違い感ハンパないです。
それに、前の席を見る限り、9割が男子男子、女子女子で座っている。うん、俺たち絶対おかしい。
そんな中、クラスの文化委員の子がバスの前の方から声をかけた。
「えっと、それじゃあ、これからレクリエーションを始めまーす!」
「「「「イエーーイ!!」」」」
文化委員の子が手をあげて言うと、バスの中のみんなが返す。
なんだこれ?!全員ヨウキャの集団か?!
そんな時、真昼が、俺を挟んで村瀬に声をかける。
「ねえ、愛月ちゃん、この勝負で勝った人から、この後あるカレー作りで好きな人とペアを組めるってのはどう?」
たしかに何かをかけるってのは面白いかもしれないな。
「乗った」
親指をたてながらそう言う。
「いいじゃん!その勝負俺も参加ー」
すかさず郷田もその話の中に入る。
さすがっす、郷田先輩!
「じゃあ、5人で勝負ねー」
そう言って、俺まで入れられてしまった。
このバスでやるレクリエーションの予定として『この人誰だろなクイズ』『勉強クイズ』の二つだ。
『この人誰だろなクイズ』は、このクラスの人の特徴を一つずつ言っていく。
それを何人かするゲームだ。
友達がこのクラスに4人(私の横に座っておられる方々。この世の中だったとしても、10人もいません)しかいない俺からすれば勝てるはずもないゲームだ。
次のゲームである『勉強クイズ』はシンプル。
今までに習ったことのある国、数、英、理、社のクイズをするというゲームだ。
数学や理科なら解けるかもしれないが、そもそも俺に答える度胸がない時点で二つのゲームとも勝率0%なんだよな。
はい、この勝負最下位確定しました。
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