第182話 白雪さん

その日の放課後、俺は白雪さんに一通のラインを送った。


林間学校中のあいちゃんについてのことだった。


俺たちの学校の林間学校は2泊3日。


言ってしまえば、3日間の間あいちゃんは1人になってしまうことになる。


何か対策があるのかを聞いておきたかったのだ。


白雪さんにはおそらく距離をとられているが、仕方がない。


俺が送ってから数十分して、ラインが返って来た。


『心配していただいてありがとうございます。でも大丈夫です。私は林間学校には参加しないので』


なるほど……。たしかに一番丸くおさまる可能性は高い。


でも、それは白雪さん自身の幸せを全て潰してしまっていることになる。


まあ、白雪さんは学校に友達とかいなさそうだったと言えばそうだったけど、きっと行きたくないとは思っていないはずだ。


でも、今回は3日という期間を小学二年生であるあいちゃん1人で過ごさなくてはならない。


流石に無理だと俺自身も思った。


それに、白雪さんが行かないと言っている以上、俺たちが口を挟めるわけでもない。


それなら、後日また白雪さんたちも含めて遊園地とかに行けたらいいのかもなぁ。『たち』だから!2人きりとかそんなわけじゃないから!


だから、俺は返した。


『そうですか。わかりました。それじゃあ、また後日、真昼や一ノ瀬たちも連れて遊びに行きましょうね』と。


そして数分後、白雪さんからラインが帰って来た。


『はい。その時はぜひよろしくお願いします』



そして、それから数日経ち、林間学校当日がやってきた。

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