林間学校編

第181話 班決め

あいちゃんや白雪さんを含めてから数日ほど経ち、みんなもだんだんこのメンバーに慣れてきていた。


そして今学校では、今までは地獄のような、今は安心し切っている時間になっていた。


見る限り、真昼や一ノ瀬も大変そうだった。


「宮下さん、俺と同じ班にならない?」


「いいや、ここは俺と」


「じゃあ、男子2人は俺たちでいいんじゃないか?」


「そうだな、で、宮下さんどうかな?」


そう、林間学校を数日後に控えたこの日、俺たちの教室では班決めが行われていた。


遠くから見えるが、一ノ瀬の方にもかなりの人数が集まっていた。


俺は顔を伏せ、寝たふり。


今までも一緒。


今までは、友達がいないから、班決めが終了寸前のところまで俺は伏せて寝たふりをしていた。


そして、最後に1人余った班に入れてもらう。


一度だけあったのだが、中学二年生の時、どこの班が俺を入れるかで喧嘩になったこともあった。


いい……いい思い出だったなぁ……。


俺は今も伏せて寝てたフリをしている。


しかし、これは終了寸前に誰かの班に入れてもらうまで暇だから寝たふりしているわけではない。


もう班が決まっているからという安心からの寝たふりなのだ。


実を言うと、この後どうせ真昼たちの班に俺が入っていることが判明し、俺に殺意の篭った視線がこちらに向くのはわかっていることなので、わざわざ合わせるわけがないだろ。


「ご、ごめんね。私、もう班になる子決まっちゃったんだ。だから、ごめんね……」


隣で真昼がみんなに謝っている。


そろそろかな……。


「同じ班って……?」


はあ、そろそろ俺の寿命が近づいて来たな……。


「も、森木くんと……」


グサアアッッッツ!!!


ダメだ。見なくても分かる。こ、怖いよお……。


グ、グササササアアアッッッツ!!!!


やばい、威力が強くなった。一ノ瀬の方からもバレてしまったか!


「いや、ちょっと待てよ。たしか男子は2人だから……。じゃあ、もう1人に俺を入れてよ!」


真昼の班の男子が俺1人だと思ったのか、クラスの1人の男子が宮下に向かって自己アピールを始める。


そこに忍び寄る1つの影。


俺の唯一の男友達。いいや、男親友。又の名を『ヤンキー郷田』。


俺はその気配に気付いたが、あえて伏せておこう。


そして、その男、郷田はさっき自己アピールをしていた男の肩を掴む。


その時に気づいたのだろう。「ひいっ!」って聞こえた。


「悪いな。宮下ちゃんの班の男は、俺と京だ。もう決まったんだよ」


ヤンキー郷田は優しい口調で言う。余計に怖いわ!


「そ、そそそっか!それなら仕方ないね。ご、ごごめんな」


そう言ってその場を離れる男連中。


一件落着を確認した俺は寝たふり終了。


一ノ瀬の方を見ると、一ノ瀬の方でも群れがなくなっていた。


郷田さんマジ最強っすわあ!

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