第179話 アリオカート
家電量販店を出た俺たちは、特にどこかによるわけでもなく、家に帰って来ていた。
あいちゃんがテレビゲームをやりたいらしい。
特に誰も反論しなかったので、こうして家に帰って来たわけだ。
部屋に帰って来た俺は、テレビゲーム、AWIIをテレビと接続させている。
ここ最近は使っていなかったので、自然と押し入れに入っていた。
ついでに持っていたソフトも出しておいた。『アリオカート』もあるしな。
4人で考えた結果、昨日は『アリオカート』をすることになった。パーティの方は白雪さんもいる時にということになった。
テレビとの接続を終え、ゲームを開始する。
『アリオカート』はかなりの人が知る国民的ゲームなため、真昼も一ノ瀬も一度はしたことがあるらしい。真昼に関しては、俺としてたしな。
そのため、真昼と一ノ瀬には説明はしなくてよかったので、あいちゃんに軽く説明する。
説明と言っても、傾けた方に曲がるとかそんな感じなので、説明はすぐに終わる。
どうせやってたらすぐに覚えるだろ。
キャラや車を選んだ後、コースを選ぶ。
昔はゲームにも力を入れていた俺は、もちろん全部のコースでコンピューター相手には全て一位を取っている(別にそこまで凄いことではなく、誰でも一位ぐらい取れる)。
ただ、やっていたのは何年も前なので、コースもほとんど覚えてない。
ほとんど初心者と同じレベルだ。
まあ、やってみるか。
一レース目。コンピューターを含めて12人で走る。
ぼっちだった時は12人中11人がコンピューターだったからな。なんか悲しいな!
勝負が始まってみると、意外とできるもんだな、と感じた。数年前の感覚はまだ衰えてはなく、軽々と一位をとることができた。
真昼は二位。一ノ瀬は五位であいちゃんは九位という結果になった。
さすがは真昼だった。流石に余裕で勝ちはしたが、二位は余裕でとったようにも思えた。
一ノ瀬とあいちゃんも大健闘していた。
それに、俺は一ノ瀬とあいちゃんの特徴に気付いてしまった。
その名も、『コントローラー傾けちゃったら、自分も傾いちゃう症候群』。アリオカートをする人の中でも王道中の王道中の特徴だ。
テレビの中にいるキャラを右に曲げたいと思ってコントローラーだけを傾けたつもりなのに、自然と体も傾いちゃうって言うやつ。初心者にはめっちゃありがちなことだ。俺も初めてやった頃は傾いてたらしいし。これマイ親情報。
その後もちょくちょく休憩を挟みつつ夕食までやり続けた。
その結果、みんなかなり上達して、たまに一位を取られるなんてこともあった。これは修行が必要だな。
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