第170話 バイトへ
放課後、俺は白雪さんの教室に行った。
白雪さんが俺の教室に来るよりかはいいかと思って提案したんだけど、素直に納得してくれた。
それと、今日学校に登校したあと、真昼、村瀬、一ノ瀬、郷田には今日バイトの面接があると言っておいた。
流石に今後のこともあるし、ちゃんと説明しておいた。
「それじゃあ、行こっか」
「はい」
教室で白雪さんに話しかけた時、周りからの視線が一気に集まってきた。インキャには大ダメージ。
一緒に校門を出て、駅の方へ歩く。
相変わらず俺と白雪さんとの間には一人分の距離があった。やっぱり避けられてるのか?
俺、バイト先変えた方がいい?
「あ、あの、森木さん」
「は、はい」
もしかして、ここで本の内容のこととか聞かれちゃうの?!流石にマンションではちょっと言いにくかったから、俺にしか聞こえない場所で言う気なのか?ここで地獄に落とす気なのか?!
今現在その本がカバンの中に入ってるから言い逃れはできない。
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい……。
「あの、あいのことなんですけど……」
「はい?あいちゃん?」
あれ?違ったのか?
あ、あいちゃんにはそんなエロいラノベは見せるな!って言われるのかも!
そうだよな。うん、絶対そうだ!小二の女の子に流石にダメですよね。
「はい、あいの晩ご飯の件なんですけど、明日からでもいいでしょうか?ああ見えて意外と人見知りなこともありまして……。明日のお昼は私もいますし、その時からでも大丈夫ですか?」
「あ、はい。それは全然いつからでも」
「ありがとうございます。それでは、あいのことは明日からよろしくお願いします」
「はい……」
あれ?もしかして、中身を見られてないのか?
いや、普通に考えて、本が落ちてたら、軽ーくどんな本かちょっと見ない?俺は見るんだけど。
それか、そんな俺のことを広い心で受け止めてくれているのか?
俺のことを思って黙っててくれてるのか?
やばい、それはマジで天使すぎるぞ!
次からは白雪様って呼んだ方がいいのか?
こうして、揺られる電車の中、俺の脳味噌はフル回転だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます