第166話 真面目すぎ!

俺たちはリビングに戻り、床に腰掛けた。


白雪さんはあいちゃんをベッドへと運んだ。


いつもはあいちゃんがベッドを使っていたのか。


そして、電気をつける。


俺は冷蔵庫から先ほど作った野菜炒めと白米を取り出し、レンジでチンする。


そして、箸や飲み物の準備もして机の下へ運ぶ。


「どうぞ、食べてください」


全く箸を取ろうともしない白雪さんに向かって言った。


「いえ、森木さんがお話があるようなので」


俺の話が終わるまで食べないってか?冷めちゃうじゃん。


「気にせず食べてください。それでも嫌だと言うならば、食べ終わるまで待ちます」


なんとなく白雪さんについてわかったてきたかもしれない。


真面目すぎる。


まあ、見た目通りって言えばそうなんだけど。


白雪さんは数秒悩んだように見せたが、


「では、いただきます」


「はい、どうぞ……」


静かに手を合わせ、いただきますをしてから食べ出した。


さすがに食べてるのじーっと見るのはどうかと思ったので、さっきのラノベの続きを読み進めた。


『ごゆっくり』という意味も添えて。


しかし、逆効果だったのかもしれない。


白雪さんは勢いよく口に運んでいく。


これには二つの選択肢がある。


一つは、俺の作った飯があまりにもうますぎ、且つ、あまりにも腹が減っていた。


そして二つ目は、俺を気を遣わせているとか思っている。


うん、間違いなく後者だな。性格上間違いない。


その結果、何度かむせたりして、10分もかからない間に食べ終えた。


おお、なんかめちゃくちゃ頑張って食ったってオーラがやばい。


「大丈夫ですか?そんなに急いで食べなくてもよかったのに」


「いえ、急いでなんてないですよ。いつもこんな感じで食べてます」


いやいや、そんなわけあるか!毎日あんな感じでむせながら飯食ってるのかよ!


もし言ってることが本当なんだとしたら、それはそれでちょっとどうかと思うんですが?!


「そ、そうですか……」


まあ、それで突っ込んだりするのもおかしな話だし、素直に?受け入れた。


「で、お話というのは?」


「ああ、はい、では……」


予想していたよりも早く白雪さんがご飯を食べ終えた。


そして、白雪さんは真剣に俺の方を見てくる。


うん、真面目すぎ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る