第164話 え?一緒に?!
白雪さんの部屋へと戻ると、何やら水の音が聞こえた。おそらくお風呂なんだろう。
さすがに女子小学生のお風呂を覗きを働こうなんてことは考えてない。も、もちろん女子高生もだ!
俺は持ってきた荷物を床に置き、ラノベを取り出す。
『暇さえあればラノベ!』これ俺のモットー。
そうして10分ほど読んでいたら、あいちゃんがお風呂から出てきた。もちろんパジャマは着ている。
「お兄ちゃんもお風呂入るでしょ?行っていいよ」
「う、うん。ありがと」
「うん♪」
この時思ったのだが、なぜ自分の部屋で入ってこなかったのか、と言う疑問が浮かんだ。
俺はただのバカだな。これじゃ、女子の入った残り湯を堪能したいと思っているようなものじゃないか。
でも、そこで抵抗するわけにもいかず、俺は素直に風呂場へと向かった。
基本的に俺は風呂に長居するタイプの人間ではない。逆に、風呂の時間が苦痛でもある。
だって、風呂の入ってる間もラノベとか読みたいじゃん。時間の無駄じゃん。
そうして10分ほどで出た。
出ると、あいちゃんはリビングでテレビを見ながら、ごろごろしていた。めっちゃ可愛い。
「あいちゃんはいつも何時頃に寝てるの?」
ごろごろと寝転がっているあいちゃんに聞いた。
「ん?あいはいつもは9時くらいに寝てるよー」
時計を見ると、今は8時半。こうしてごろごろして9時になったら寝るということか。
「そっか。わかった」
時間を聞いた後、俺がその場に座ろうとした時、
「お兄ちゃんも一緒にテレビ見よーよー」
「うん、いいよ」
ラノベが読みたかったが仕方がない。あいちゃんに言われてしまっては文句一つ言える気がしない。
あいちゃんの隣に座って一緒にテレビに視線を向ける。
テレビの内容としてはバラエティ番組で、俺からすれば100%ラノベの方が面白いと思うのだが、あいちゃんがものすごく笑っていたので、俺も同じように笑っていた。
時計の針は9時を指す。あいちゃんが寝ると言っていた時間だ。
「あいちゃん、そろそろ9時だよ」
「うん、ちょっと眠くなってきた……」
右手で自分の右目を擦り、大きくあくびをするあいちゃんは『可愛い』以外の言葉を選ぶ方が困難だった。
てか、習慣ってすごいんだな。いつも寝ていたら自然と眠くなるってわけか。
まあ、それに対して俺は、これからが本番って言ってもいいような時間だ。
「お兄ちゃんも一緒に寝よー」
「え……?」
あいちゃんは器用に布団を敷き布団の中へと入っていく。それに、端に寄っている。
え?これって、俺に添い寝しろってこと?
「はーやーくー」
眠たいのか若干機嫌が悪い気がする。
「それじゃあ、電気消すよ?」
「うん♪」
俺は電気を消してから、布団の中へ入る。
さて、どうしたものか。いつもの就寝時間は午前1時頃だ。早くても12時頃といったところだ。特別なことがない限りこの日々だ。
よって、全く眠たくないと言う状態だ。
俺は静かに目を閉じてみたが、全く眠りにつけそうな気がしない。
電気を消してから10分ちょっとだろうか。
さすがに限界が近づいてきた。
俺は、静かに布団から出ると鞄の中を漁る。
そして、あるものを取り出し、廊下へと向かった。
「ふうー…」
俺は廊下の電気をつけ、その場に腰掛ける。
そして、ある動作を始めた。
もちろん……ラノベ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます