第138話 苦手なアトラクション
昼食も終え、本格的なデートが始まった。
「真昼、行きたいアトラクションあるか?絶叫系以外ならなんでもいいぜ」
「そんなに絶叫系って言わなくても行かないよ。うーん、どうしよっかなー。あ、あれ行こうよ!」
「おう、いいぞ」
周りに絶叫系のアトラクションも見えないし、俺が嫌だと思うアトラクションなんてないだろ。
俺は真昼の指した方を見る。
…………あ。あれって……。
そこにあったのは、『DEATH HOUSE』と書かれた家のようなもの。
よく見なくとも分かる。お化け屋敷だ。
うん、そうだった。遊園地ってお化け屋敷あるんだった。
ここだけの話、俺はお化けがかなり苦手だ。
『世にも奇妙なストーリー』というテレビ番組があるのだが、小さい頃にそれを見た時、数日間はまともに寝れていなかった記憶がある。
さて、どうしましょう。いいぞと言ってしまった以上、仕方ないかもしれない。
まあ、高校生になってお化けが怖いとか、それこそ恥ずかしいかもしれないな。
それに、あのテレビを見たのは小学生の頃だ。
もしかしたら、もうお化けなんて怖くないようになってるかもしれない。うん、そう信じたい。
「行こ、京くん」
「お、おう」
うん、断ることは不可能となってしまった。
だって、真昼が楽しそうに言うんだもん。
俺は渋々真昼についていく。
待ち時間は10分程度。
心の準備をするにはもう少し欲しかった。
なんか、突然『お化け耐性』みたいなスキルゲットできないかな。
不安でしかない。
でも、真昼を見る限り、真昼はお化けがそこまで怖いというわけではないらしい。いやー、羨ましい。
男として、彼女に恥ずかしいところを見せるわけにはいかない。まあ、ジェットコースターはかなり恥ずかしい結果になってしまったが。
てか、彼女の前でお化けにビビるとか、ほんと恥ずかしすぎる。頑張らないと。
「京くん、楽しみだね」
うう、言ってみたい。「お化け屋敷楽しみ」とか言ってみたい!
「てか、真昼ってお化け屋敷とか好きだったんだな。てっきり、苦手なのかと思ってたよ」
俺が言うと、真昼は???って顔をする。
「……え?私はお化けとっても苦手だよ」
「はあ?」
「え?」
「え?」
「次の方どうぞー」
まさかの展開、真昼はお化けが苦手だった。
お化け苦手2人で挑むお化け屋敷。
生きて帰って来れるだろうか。
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