第137話 彼女ができました。

俺の「恋人だ!」宣言により、本当に恋人ができてしまった。


今日だけの関係とはいえ、俺に初めて彼女ができた。


真昼は俺とデートしてくれるわけだから、まだ俺のことを好きだと思ってくれているんだろう。


真昼と村瀬はずっと待っていてくれているんだ。


でも、それもいつまで続くのかなんてわからない。


最近読んだラノベに出てきた友人キャラが言っていたセリフをふと思い出した。


『いつまでも彼女たちが待ってくれていると思うなよ。ずっと保留にしておいたら、みんな自分の事を好きなままだと思ったら大間違いだぞ』


読んでた時はなんとも思わなかったけど、今になるとわかるかもしれない。


真昼や村瀬はラノベに出てくるヒロインたちじゃないんだ。いつまでもその人のことが好きだというわけではない。


そりゃ、別に好きな人ができる可能性だって普通にあり得る。だって、俺よりいい奴なんてこの世に何億といるんだから。


ちゃんと告白されたんだから、いつまでも保留になんてしておいて良いわけがない。


俺はさっさとこの気持ちを整理して答えを出さなくてはならないんだ。


「はい、京くん、あーん」


「あーん。ふむふむ……うまっ!」


てか、普通にあーんされて食べているんだが、問題ないよね?俺たち今は恋人同士なんだから問題ないよね?


まあ、恋人じゃなくてもあーんされた記憶はあるんだけど。


でも、傍から見たら、俺たちはカップルに見えるのかな?


でも、ほんと不思議だよな。俺みたいなクソオタクがこんな美人とデートしてるんだもんな。


ほんといつになっても、夢なんじゃないかって思ってしまう。


「はい、あーん」


「あーん、うっまー!」


「えへへ、そんなに言われたら照れちゃうよー」


真昼の心の底から嬉しそうな顔を見ると、俺も幸せな気分になってくる。


こんな子を待たせるなんて、罰当たりにも程があるな。


ちゃんと考えて、心の底から愛せると言う人を見つける。


まあ、今日は素直に恋人同士のデートというものを楽しもう。


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