第131話 ナンパ発見!

「そろそろお昼にするか」


「そうだね。もう12時だなんて、早いね」


来たのが少し遅かったこともあるが、もう12時。早いな。


なんだかんだで、まだジェットコースターとメリーゴーランドしか乗っていない。


うん。結構暇な時間がいっぱいになるかと思っていたが、意外と時間いっぱい遊べそうだな。


真昼は近くにあったベンチに腰掛ける。


「あ、ちょっとトイレ行ってきてもいい?」


「うん、全然気にせず行ってきていいよ。私はここでいとくね」


先ほどから腹が痛かった。何故だかは分からないが突然めっちゃケツの穴から茶色の物体が出そう。


俺は真昼に声をかけてからトイレを目指す旅に出た。


何故だろう。いつもならトイレとか普通にいっぱい見るのに、今みたいにいざ必要になった時ってなかなか見つけられないんだよな。


しかし、ケツの穴が限界に近づくので必死になって走り回る。


こんなに本気で走ったのは村瀬と遅刻して全力疾走した時以来かな。


その結果、真昼が座っているベンチからはかなり離れてしまったが、なんとか見つけることができた。



ブリブリ☆¥$#→♪〒\:=÷○*♪♪♪♪



「ふぅ、危なかったあ。もう少し遅かったらヤバかったな」


俺はトイレから出る。


帰り道、自動販売機を見つけた。


真昼にも待ってもらったし、お詫びってことで飲み物でも買っとくかな。ちょうど今から昼食だしな。


でも、真昼に何を買ったらいいだろうか。


うーん。そうだ!真昼はリンゴジュースがたしか好きだった気がする。


昔はいつもリンゴジュースリンゴジュース言ってたな。


俺はリンゴジュースとお茶を買う。


真昼を待たせてしまってるし、早く帰らなくちゃな。


軽く走ること10秒か20秒。


あるものを見つけてしまった。


「ねえ、お姉ちゃん1人?」


「お姉ちゃんかわいいね」


「お姉ちゃん、これから俺たちと一緒に遊ばない?」


「や、やめてください。1人じゃありませんので」


1人の女性が3人の男性に囲まれている。ナンパだ。


まあ、ナンパされてる女性はめちゃくちゃ綺麗な人だ。ナンパしようと考える男性たちの気持ちもわからないでもない。まあ、俺はしない(できない)けど。


それにしてもどうしようか。


正直こんなことに関わりたくはない。


うん、あの女性には頑張ってもらおう。きっといい人が助けてくれるさ。


俺はそこらへんの通行人と同じようにゆっくりと歩く。


きっと大丈夫だ。俺は少し彼女の方を見る。


「……あ……」


目が合ってしまった。


彼女の顔が訴えている。


『助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて』


やめて!そんな捨てられた子犬みたいな目で見つめないで!

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