第128話 人多いな!

「すげー人多いな」


俺は驚きと共に吐き気も覚えた。


あまりにも人が多すぎる。


開園時間前に来なくて良かったと心の底から思った。


多分来てたら吐いてた。


オタクというものは人混みに酔ってしまうのだ。


今はもう開園してから30分ほど経っているのため、待つことなく中に入ることができる。


「どっか乗りたいとこってあるか?」


俺は小学生の時以降遊園地になんて来たことがない。


そもそもアトラクションとかに興味がないってのもあるが、そもそも一緒に行く友達がいない。


うう……悲しい。


俺には特に行きたい場所とかもないので真昼に聞いてみることにした。


「うーん、特にこれといって乗りたいのはないかな……。まあ、最初だしジェットコースターにでも乗る?」


「おう、いいぞ」


俺たちは2人でゆっくりと歩きながらジェットコースターのところまで向かう。


いざ2人で歩くと思ったら、真昼って意外と歩くの遅いんだな。


登校している時とかは特に気づきもしなかったが、2人で歩いたら気付くこと。


これも新たな発見だな。


俺は真昼に合わせるように歩く。


ようやく真昼の可愛さに慣れてきたわけだが、ほんと真昼って完璧だよな。


めっちゃ可愛いし、おっぱいでけえし、最高じゃん!


小学生の頃はほんと俺と一緒で地味なやつだったんだけどな。


それに、俺たち隣人じゃなきゃ絶対高校では関わってなかっただろうな。


だってスーパーヨウキャとハイパーインキャだもんな。


俺みたいなやつが真昼なんかと……。うん、すごい奇跡だな。


それにしても、俺は真昼のことが……どうなんだろう。


嫌いではない!それは言い切れる!でも……、好きなのかがわからない。


「京くん?」


俺があまりに悩んでいたからなのか、真昼が声をかけてくれた。


「お?あ、悪い、並ぶか」


どうやらもう到着していたらしい。


「うん!」


俺たちは最後尾に並ぶ。


なんか、若干見えたんですけど、『20分待ち』って書いてたんですけど。


20分も待つの?!


てか、待たなくちゃいけないのか。忘れてた。


待つことが苦としか思っていなかったが、真昼と喋っていたら意外と早く感じた。


「次の人どうぞー」


スタッフさんが声をかけてくれた。


俺と真昼は先頭に乗る。


さっきまで全然怖くなかったのに、なんか突然怖くなってきたんですけど!


俺たちを乗せたライド(俺たちが乗っている乗り物)はゆっくりと動いて行く。


まずい。本気で怖くなってきたんですけど!


た、助けてええええええ!!!!

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