デート編
第127話 直視できない……。
デート当日。
朝起きる。なんだろう。デートだと思うとめっちゃ緊張してきた。
昨日一ノ瀬にちゃんと同じ服でいいって言ってもらったのに、いざ着るとなると本当に大丈夫か不安になってきた。
でも、だからといってこれ以外に着る服がない。
仕方なくそれに袖を通す。
そして、洗面台に行き、寝癖をしっかりと直す。
今思ったら、寝癖直したのなんて、中学の卒業式の日に親に言われてやった(やらされた)あの日だけだったな。
ちゃんと朝食も食べて、デート中にお腹が鳴らないようにする。
扉を開ける前にもう一度だけ深呼吸をした。
よし、準備万端だ。
俺は扉を開ける。
そして、俺は真昼のインターホンを鳴らす。
デートと思えば、このインターホンの音を聞くだけでも緊張が増す。
やばい……。吐きそう……。
インターホンを押してから真昼が出てくるまでに1分ほどあった。
しかし、緊張しまくっている俺からすれば何倍もの時間に感じた。
やばい……。ほんとにどっかで吐いちゃうかも。
ガチャリと音が鳴り真昼が出てきた。
俺は真昼を一眼見た瞬間、俺は目を逸らしてしまった。
やばい……。可愛いすぎるんですけど!
嘘だろ?!ダメだ!可愛いすぎて直視できない!
「けい……くん、どうかした?」
「い、いや!なんでも!なんでもないぞ」
ダメだ!テンパって何喋ってるかわからない。
「じゃあ、どうして目逸らしてるの?あ、もしかして……、服装へんだった……?」
小さくなっていく声。その声を聞いた時、自然と俺の口が開いた。
「いや、違っくて、えっと……可愛いすぎて……」
はあ?!何言ってたんだ俺は?!
さすがに正直に言い過ぎだろ!
ダメだ!これはおそらく俺の黒歴史名言集になることだろう。
って、そんなこと言ってる場合か!ひとまずこの状況をなんとかしないと!真昼全く喋らないし、どうしたらいいんだ?!
「え、あ、そっか……、ありがと」
「お、おう」
あれ?なんかキモいこと言ったはずなのに、ちょっと真昼のテンション上がった?
「京くん!行こ!」
真昼は笑顔で俺の方を向き、言った。ダメだ……。可愛い。
「お、おう。行くか!」
真昼はステップしながら進んでいく。
俺はその隣を歩く。
ダメだ!胸もバインバインしてる。目のやり場に困る。
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