第126話 憎らしいデートに向けて

明日は憎らしいデート。



◆村瀬の場合


私は晩ご飯を食べた後、頭を抱えていた。


どうしよう。けーちゃんと宮下さんのデート。


宮下さんのことだ。きっとこのデートでけーちゃんにものすごくアピールするに違いない。


そうと分かっていて黙っていることはできない。


でも、どうすれば……。あっ!そういえば、一ノ瀬さん、前「どっちも応援する」って言ってたよね?それなら私の手助けしてくれるかも!


私は一ノ瀬さんに電話をする。


『はーい、どうしたの?』


「あのさ……ちょっと明日のことなんだけどさ、場所とかって聞いてる?」


『うん、遊園地に行くらしいよ』


「くっ、遊園地なんて……ムカつく……」


思わず口に出してしまった。


こうなってしまっては放っておけない。


「ねえ、一ノ瀬さん!明日あの2人が間違った事しないように見にいかない?」


『うーん、でも、2人はデートなんだから邪魔しない方がいいと思うけど……』


「い、いや、あくまで監視が目的だよ?で、一ノ瀬さんは行く?」


私が行ってから10秒ほど沈黙があった後、返事が帰ってきた。


『わかった、行くよ。じゃあ……』


一ノ瀬さんと明日の約束をして、電話を切った。


よし、絶対に宮下さんなんかに負けるかー!



◆一ノ瀬の場合


私は村瀬さんとの電話が終了した後、頭を抱えていた。


あああああああああああああああああ!!!!!!


なんで私だけこんなに忙しいの?!


まさかの関係者3人から頼られるって。


逆に笑けてきた。


それにしても、京くんもまっひーもまさかの同じ事で頼ってくるとはね。


まっひーの時はつい先に「服?」って聞いちゃったしね。


結構お似合いだと思うんだよね、あの2人。


それにしても……、村瀬さんだけはちょっとどうにかしないとな。


流石に一人で監視させたら、何するか分からないから、私も一緒に行くって言ったけど。


まあ、明日は村瀬さんをちゃんと見とかないとね。突然消えたなんてことにならないように。


ふう。ようやく一息ついた。


もう、疲れた。寝よ。

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