第125話 楽しみなデートに向けて

明日は楽しみなデート。



◆京の場合


どうしよう。


デート前日になったわけだが、俺は朝から頭を抱えていた。


服がねえ!


やばい、基本的に友達と外出する日なんてほとんどなかったから、まともな服なんて何一つない。いや、以前、真昼と一ノ瀬と3人で出かけた時に買ったのはまともか。


でも、二回連続で同じ服着て行っていいのかな?


どうしよう……。こういう時は頼れる一ノ瀬さんに聞くか!


俺はスマホを取り出して、一ノ瀬に一通のラインを送る。


『ちょっと相談したいことがあるんですが』


そのラインを送ってから5分も経たず、俺の部屋に一ノ瀬が入ってきた。


「どうしたの?」


「いや、ちょっと質問なんですけど、デートに二回連続同じ服って着て行ってもいいんですか?」


もし、これでダメと言われれば、服を買いに行かなければならない。


「ダメってわけじゃないけど……、まあ、大丈夫だと思うよ。で、明日はどこに行くの?」


「ああ、遊園地に行こうって話になってる。なんかアドバイスとかってあります?あったら教えて欲しいんですが……」


デートが初めての俺からすれば、ものすごく大事なこと!一つだけでも聞いておかなければ!


「ん……。そうだな……、まあ、私もデートなんてしたことないしな……。まあ、いっぱい楽しんだらいいんじゃないかな。どっちかが無理して片方が楽しんだってそれがデートだとは私は思わない。とにかく、いっぱい楽しんだらいいと思うか」


「なるほどね……。おっけー、ありがと来未」


「どういたしまして。それじゃあ私はこれで」


「おう、ほんとにありがと」


一ノ瀬は俺の部屋から出た。



◆真昼の場合


私はお昼ご飯を食べた後、頭を抱えていた。


どんな服着ていけばいいの?!


明日は京くんとの初デート。失敗は許せない。


そして、基本になってくるのはやっぱり服装だよね。


どうしよう……。こういう時は師匠に聞こう!


私はくるちゃんに一通のラインを送った。


『少し相談したいことがあるんですが』


そのラインを送ってから5分経たず、私の部屋にくるちゃんが入ってきた。


「はい、どうした?服かな?」


「えっ!さ、さすがくるちゃん!全部お見通しだね」


「ははは……。まあね」


「あのさ、私オシャレとかあんまり分からなくてさ。できれば明日の服装を選んで欲しいんだけど……」


「はい、了解!」


そのあと、くるちゃんはちゃっと服を選んでくれた。


「ねえ、それとさ、できれば明日に向けてのアドバイスとかってないかな?私、デートなんて初めてでさ、どんなことしたらいいのか分からなくて……」


「ああ、それね!えっと、明日のデートをいっぱい楽しんだらいいと思う!」


「なんかくるちゃん雑になってない?!」


「え?そう?全然そんなことないよ。あ、それと……」


楽しむこと。それから何個か教えてもらった。



明日のデート、楽しみだなー。

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