第117話 テスト当日

村瀬母事件は無事に解決した?のかは分からないが、まあ、なんとかなった。


村瀬が泣いてることだけが謎であったが。


その後はみんな集中して勉強に取り組んだ。


俺は翌日の教科である英語と理科の勉強をした。


ずっと思ってたんだけど、英語ってなに勉強すればいいのか全く分からない。


俺は適当に授業でやった英文の口語訳を覚えておいた。そして、理科の教科書を適当にめくって黙読。以上。



時刻は11時半頃。


「明日に疲れが残っても意味がないから、そろそろ寝よっか」


やはり学年3位。言うことに説得力がある。


俺たち3人はその意見に反論することなく従う。



今はベッド。


隣には一ノ瀬。


「京くん、起きてる?」


突然一ノ瀬が話し始めた。


「お、おう。どうした?」


「いや、なんでもない。テスト、絶対に負けないから。おやすみ」


そう言って一ノ瀬は俺に背を向けた。


え?それだけ?!まあ、いっか。


俺も一ノ瀬に背を向ける。


てか、なんだかんだで今日が一番勉強時間が少ないかも。


でも、村瀬母とも話せたし、結果的に見てみればかなりいい1日だったな。


俺は静かに目を閉じる。



翌日の朝、目が覚めた。しかし、横を見ると一ノ瀬の姿がなかった。


しかし、俺は驚きはしない。2日連続ならさすがにわかる。どうせあいつらの部屋にいるんだろう。


俺は落ち着いてベッドから出て、真昼たちが寝ている部屋に向かった。


ノックをする。


返事がない。


「おーい、起きてるかー」


返事がない。まじかよ。2日連続で起こさなくちゃいけないのかよ。


「はいるぞ」


一声かけてから部屋に入った。


あれ?誰もいない。どう言うことだ?!今回は本当にどこかへ行ってしまったのか?!


俺は慌てて一階に下りる。


もしかしたら、何かわかるかもしれないと思ったからだ。


リビングのドアを勢いよく開ける。


「ど、どうしたの?!」


「え……?」


そこには制服に着替え終えた3人の姿があった。


「おはよ、けーちゃん。もしかして……起こしに来て欲しかった?」


うざく言ってくる村瀬。


「ち、ちげえよ。昨日は3人とも寝てたから、おかしいなと思っただけだ」


「またまた〜。素直になればいいのに」


そう言って、俺の胸あたりをつんつんしてくる。


かなりこそばゆい。


「や、やめろ!」


俺は村瀬から離れる。村瀬はなぜか嬉しそうに笑っている。


なんか負けた気がして悔しい。


「はーい、ご飯できたから食べるよー」


一ノ瀬が言う。お前はオカンか!


そんなことはもちろん口には出さずに席に座る。


そして、料理を食べる。


俺は飯を食べた後、すぐに制服に着替えてリビングに向かう。


なんか、俺待ちみたいな雰囲気を出されて少しむかついた。


そして、もう一度忘れ物をしていないか確認したのち、家を出発した。

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