第110話 女子会
ふと目が覚めてしまった。
隣には京くんが寝ているので、起こさないようにベッドから出る。そして、トイレに向かった。
あれ?村瀬さんの部屋の電気がついてる。あの2人まだ起きてるのかな?
私はドアを開けた。
「いや、本当そうだよね!めっちゃ優しいよね!」
「うんうん。京くんはほんとに優しすぎるよね。あ、くるちゃん!くるちゃんもこっちおいでよ」
あ、これやったらいけないことしちゃったかも。
私は言われるがまま部屋に入る。
てか、この2人さっきまでずっと喧嘩してたのに、今はなんかとっても仲がいいんですけど。
まあ、なんとなくこうなった経緯は普通に予想できるんだけどね。
京くんのことについて熱く語ってるってかんじだろう。
はあ、どうしてこのドアを開けてしまったのだろう。今になって後悔しかない。
これは私も京くんについて熱く語れということなのかな。まあ、京くんは学校の男子の中なら一番話しやすいけど、さすがにこの2人みたいに愛してるってわけじゃないんだよね。あくまでも仲のいい友達ってかんじなんだよね。
だから、この2人の会話についていける気がしない。
まあ、今さら逃げれるわけでもないし、今日は睡眠時間が大幅に減ることは間違いなさそうだね。
よし、覚悟を決めよう。
「村瀬さんが京くんを好きになったのってどうしてなの?昔会っただけで好きになるってのはなんかおかしいし。あ、言いたくなかったら全然言わなくていいからね」
さすがに知っておきたかった。どういう経緯で好きになったのか。
まっひーの恋も応援している立場なわけだし。でも、この2人を見て、どっちかだけを応援するってのもね……。
「いや、昔は単に仲良くしてくれて好きだったんだけど、今は違う。本気で愛してる。そうなったのも日曜日のことなんだけどね、京くんが『絶対どんなことがあっても愛月のことを見放したりはしない。もっと頼りにしてくれ』って言ってくれたんだ。その瞬間にもう完全にノックアウトしたよ。あ、愛月ってのはわたしの下の名前ね」
なるほどね。昔ラノベを読んでた私から見ても十分面白そうな展開だ。
2人ともラノベで言ったらメインヒロインになるのに十分な要素を持ってる。
「そっか、まあ、私は2人とも応援してるからさ。どっちを優先して応援するってことはせずに、どっちも平等に応援するよ」
私は宣言したところで、話を聞くことした。
そのあと、これでもかと言うほど京くんの話をされた。酒飲みの相手をしている気分だ。まあ、初めてだけど。
そして、私は知らぬ間に目を閉じていた。どうやら睡魔が限界まで来たらしい。
ほんと京くんは幸せ者だよね。こんな美少女2人に囲まれてさ。
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