第105話 勝負

授業も終わり、今は放課後。


俺と真昼、村瀬、そして一ノ瀬はカフェに来ていた。


俺と一ノ瀬が隣に座り、その正面に真昼と村瀬が座っている。不平等だからという理由でら2人は俺の隣に座らないことになった。


「で、けーちゃんと宮下さんはどんな関係なの?」


座るとすぐ村瀬が話し出した。


「そっちこそ、村瀬さんは京くんとはどういった関係なの?」


真昼はそれに返事をするのではなく、そのまま返した。


そんな光景を見て一ノ瀬はくすくす笑っている。


「まぁ、将来結婚する……って関係かな」


「えっ!そ、そうなの……?」


村瀬が自信満々に言い、シンプルにそれに驚く真昼。会話がものすごくバカバカしい。って、真昼若干涙目なんですけど?!


「いや、違う。あーちゃんも変な嘘つくなよ」


「あ、あーちゃんって……」


「あ、いや、ちょっと待って。もう全部ごちゃごちゃになってるから、全部話すわ」


もう決心した。ちゃんと話さないと話が進まないし。


「まず初めにあーちゃん、真昼は俺の幼馴染だ。中学の時の三年間はあってなかったんだけど、この学校で再会した。それと、真昼と一ノ瀬は俺と同じマンションに住んでて、隣人だ」


「え、えええええええ!!!!」


村瀬はものすごく驚いた。そして続けた。


「そ、そんな運命的な話が本当にあり得るっていうの?!めっちゃ羨ましい……。ってか、隣人とかずるすぎるでしょ!」


村瀬は悔しそうに言う。その姿を見て真昼は勝ち誇ったかのようなポーズをする。


「次に真昼と来未聞いてくれて。俺と村瀬は3歳の頃に一度会ってるんだ。まぁ、そのことに気づいたのも最近なんだけど」


「いや、それこそ運命的な再会じゃんか」


真昼は悔しそうな顔をする。それを見て村瀬は勝ち誇ったかのようなポーズをする。


お前らほんと子供か?!


「なるほどね。それじゃあ私たちはライバルってことか」


「そうなるね。まぁ、村瀬さんには負ける気ないけど」


「はぁ!それはこっちのセリフだし!」


「そうだ!いいこと思いちゃった。村瀬さんも京くんに数学と理科教えてもらってるんでしょ?それなら、その2教科の合計得点で勝負しようよ!どっちが京くんへの愛があるか」


なぜ数学と理科の点が高ければ、俺への愛が高いのかは謎だが、ここは黙っておこう。


「望むところだね。負ける気がしない。でも、隣人ってのはちょっと不公平だと思うから、これからテストが終わるまでは私の家でこの4人が過ごすってのはどう?」


「くるちゃんがいいなら私はいいよ!そんなことで言い訳されても困るしね」


真昼は一ノ瀬を見た。許可を取りに来たんだろう。


「私は全然いいよ。面白そうだし、私も泊まらせてもらおうかな」


一ノ瀬は面白そうだからという理由で許可した。


「それじゃあ決定ね。それじゃあ今日からお邪魔するわ」


えっ、俺には許可得ないんですか。そうですか……。ほんと女って理不尽だ。


「じゃあ俺は2人連れて行くわ」


「了解!じゃあ待ってるね」


俺たちはカフェから出て、村瀬と別れた。


なんかこれから波乱な数日が続く気しかしない。

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