第96話 待つ

ものすごく熱い……。


私は今京くんに告白をした。


体育祭のときは、その時の流れみたいな感じで告白したし、おそらく京くんは何かしらの勘違いをしていて、今私が京くんのことを好きだとは思われていない。


だから、これが本当の告白……。


手が震えてきて、緊張しているのが身体の隅々まで伝わってくる。


この告白の計画を立ててくれたくるちゃんには本当に感謝だね。


くるちゃんの予想していた通りに進んでいたんだもん。



1時間ほど前、私はくるちゃんの部屋に上がった。


そして話された。くるちゃんの推測を。そして、これからどうするべきなのかを。


「あくまでも私の推測でしかないんだけど、最近夕食を一緒食べてなかった時があったのには村瀬さんが絡んでると思うんだよね」


「うん。それは私もなんとなく予想がついてる。だって、今日一緒に登校してたし、『けーちゃん』って呼ばれてたもん」


「そうだね。まず、今日一緒に登校した時点で、昨日村瀬さんの家に泊まったことが判明したし、その前に郷田くんに聞いたから間違い無いね。しかも、嘘をついて村瀬さんの家に行ったってことは、何かしらのイベントが起きたって予想できるんだよね。もしかしたら、最悪のケースになってる可能性だって……」


「それって、もしかして、京くんと村瀬さんが……?」


「うん……。確信ではないけど、もしかしたらその可能性も0じやないってことだね」


「嘘……でしょ……」


私は崩れ落ちてしまった。


京くんが……。


「まだ諦めるのはまだ早いよ。まだ2人が付き合ったって決まったわけじゃないし。それに、そんな短時間で付き合うってのはないと思うんだよね」


「でも、私どうしたら……」


「任せて!これから少し話して、そのあとに私が京くんに好きな人がいるか聞くから。それで、もし京くんが誰かと付き合ってるって言ったら仕方ないけど、その他なら、その場で告白しちゃおう!」


「えぇぇぇえ!!!!それって本気?!私まだ全然準備とかできてないんだけど!」


くるちゃんから想像もしていなかったことを伝えられて焦った。


「大丈夫だよ。だって体育祭の時にも告白したんでしょ?多分京くんには告白だとは思われてなかったんだろうけど」


「大丈夫かな……」


「大丈夫だよ。自信持って。あ、それと……」


くるちゃんは最後にアドバイスやその後の計画について私に言ってくれた。


そして、私たちはくるちゃんの部屋を出た。



そして、くるちゃんが予定通りに進めてくれて、私は告白した。


そして、最後に一言伝えた。さっき、くるちゃんにも提案されたことだ。


「京くんが私のことを好きになってないのは知ってる。さっきも言ってたしね。だからさ、もし私のことが好きになったら、その時改めて返事をして欲しいな。ずっと待ってるからさ」


私はただ京くんと付き合うことを望んでいるわけじゃない。


私というものを心の底から好きになって欲しいんだ。

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