第17話 夕飯
俺が部屋に戻り、少しすると真昼はまたしても眠りについていた。
俺は起こさないように静かに座っていた。
すると、知らぬ間に俺も眠りについていた。
次に俺が目を覚ました時は、もうすでに時計の針は5時を指していた。
どうやら数時間昼寝をしまったようだ。
真昼は…、まだ寝ていた。
それにしても病人って良く寝るよなー。
ふと考えてしまった。
それにしても特にすることもなく、暇だったので、俺は本棚に手をかけた。そして、本を一冊手に取る。
そしてを俺は本を読みだした。
ちなみに俺は、幅広いジャンルのラノベを読む。
そして今読んでいるのはラブコメだ。
その話は、幼馴染が三年ぶりに再会するところから始まる。しかしそのことを誰も知らなかった。
しかし昔、その二人は結婚の約束をしていた。
そこから、ちょっとずつ判明していく幼馴染だったという事実。
そしてこの物語で幼馴染だったと知った一つが写真なのだ。その二人はお互い同じ写真を飾っていた。
だから俺は真昼はこの物語みたいな感じだと思ったんだよなー。
あーこの話を読めば読むほど気になってきたー。
正直結構ハマっている。
俺が本を読み始めて1時間ほどがたっただろうか。
真昼は目を覚ました。
「どうだ?体調は?」
「うん。大丈夫だよ。明日には治ってるかもね。それもこれも全部京くんのおかげだね?」
真昼は笑顔で言った。
「だ、だからこれは、貸しだからな。へんな理由なんて何もねーよ」
(なんだよ?そんな笑顔で感謝されたら、惚れてしまうだろうが!)
「そうだとしても、本当にありがと。また何かお礼を…」
「そんなもんはいらねえよ。あっ!そうだ。お礼がしたいんだよな?それじゃあ、俺ある部屋を掃除しようと思うんだけど、手伝ってくれるか?」
(間接的に言えば、少しは気が緩むだろ?しかも、誰も真昼の部屋だなんてわからねーだろ)
「うん!なんでもお手伝いする!」
「よし!それじゃあ今週の土曜日にでもどうだ?
なんか予定でもあるか?多分だけど丸一日使うかも?」
「うん!大丈夫だよ」
「了解!当日になって嫌だとか言うなよ?」
「大丈夫!絶対に言わないから」
彼女は、そうはっきりと宣言した。
やっぱりこいつはちょろいな。
こいつ絶対詐欺とかに一瞬で騙されそうだな。
なんか考えるだけで心配になってきた。
時計の針が6時を超えていることに気がついた。
よし、夕飯作るか!
俺はキッチンへ向かう。
今晩の夕飯は…レトルトお粥プラス卵!
さっきの買い物で買ったお粥のレトルトは4人前だったため、ちょうどいい。
そして、レトルトの表示に書いていたのを見つけたのだが、卵を入れるとうまさ倍増らしい。
味変としてもいいだろう。
買い物のついでに卵も買っておいた。
作り方がわからないので、スマホで調べるとどうやら卵は溶いて使うらしい。
なので、別のさらに卵一つ破り、溶いた。
これがあってるのかはわからないが見た目だけでも合わせる努力はした。
味の保証はできないが、見た目はかなりうまそうだ。
俺にしてはかなり上出来だろう。
俺のやつも一緒に作らなくてよかった。
さっきのお粥を冷ましてしまったという反省を生かし、今回も食べさせろとか言われるかもしれないし、これは良い判断だろう。
お粥を真昼の元へ持っていく。
「お粥出来たぞー!調子はどうだ?食べさせた方がいいか?」
(えっ?!また京くんがあーんしてくれるの?で、でも、ちょっと体調も良くなってきたし、これでまた興奮したりなんかしたら熱が上がっちゃうし…。ここはとても悔しいけど断ろう)
「いや、自分で食べれるよ。京くんは自分のを食べて」
(なんじゃそりゃゃゃあぁぁぁぁーーーー!せっかくお前に食べさせないといけない思ったから自分のやつは後回しにしたのに!)
俺は少しイラつきながらも自分のお粥を作る。
やはりうまそうだ。
俺は作り終えると、あまりの食欲に襲われた。
こんなに食欲があるのは珍しいな。
それでは…。
「う、美味っ!」
自然と口から声が出た。
この美味さはここに引っ越してきて一番と言ってもいいだろう。しかも、温かいお粥は冷めたやつとはレベルが違う。これは感動だ!
これで俺の食べる食材がスーパーの弁当以外に増えた。
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