第16話 汚物

俺は今、あるミッションをこなすために真昼の部屋の前に立っている。


真昼からのミッションは部屋からあるものを取ってこいというものだ。


そのあるものとは、


パジャマ、下着、歯ブラシだ。


いやいや!下着はおかしいだろぉぉーーーー!。

熱が出ているとはいえ、下着を異性に持って来させたらだめだろー。

本当にあいつは女としてどうなんだろうか?


思わずため息が出てしまう。


しかし、真昼は気持ちよさそうに寝ているため起こすのはかわいそうだ。


仕方がない…。


やるか…。


そういえば俺が女の人の家に入るなんて、初めてだな。考えると恥ずかしくなってきた。


俺は少しの恥ずかしさを持ちながら、扉を開ける。


開けると俺の前には衝撃の景色が現れた。


「嘘だろ?」


思わず口から出た。


そこにはゴミがたくさん落ちていた。


あのなんかめっちゃ綺麗に見えていた真昼が少し汚物に思えてきた。


これはまた掃除をしてやらないとだめだな。


また、新たにすることができた。


今日は特にすることがないのでやってもいいが、さすがに女の子の部屋だ。勝手に口出しはできない。


ひとまずゴミは放っておいて、荷物収集をしなければ。


まずは、歯ブラシか。


俺は洗面所へ向かう。


ここでもやばい光景が。


洗濯物だ。これだけ貯めれるのか?逆にすごいな。


謎の関心を生んでしまった。


はぁ、とため息をつく。


改めて思うが、ここに引っ越してきてからため息が多くなった気がするのは気のせいだろうか?


俺はひとまず最初のミッションである歯ブラシを見つけた。


よし、これであと二つ。


ひとまず奥の部屋に入る。


さすがに3回目では目が慣れたのか突っ込まなかなった。はぁ、


この部屋にも服などが散らかっていた。


これじゃあ、パジャマもまともに洗ってないんじゃないのか?


適当に俺の中学生の時の体操服とかを貸すか。


しかし、俺のものではどうにもできないものが一つあった。それはこの三つの中でダントツで一番難易度の高いもの。


そう、下着だ。


どこにあるのか分からず、俺はまずクローゼットに手をかけた。


ガラガラと開けると、意外な光景があった。


そこには冬服などがぎっしりと綺麗にハンガーにかけられていた。


一般的にはこれが普通なのだが、この家ではものすごく感心してしまう。


それにしても服が多いな?俺なんてこれの十分の一も持ってないぞ。


しかし、クローゼとがないと分かれば、残りは一つ。


タンスだ。


この部屋にあるタンスは4段式だ。


一番下から引いてみた。


そこには靴下が多々入っていた。ハズレだ。


さすがに靴下で興奮はしないぞ!こんなので興奮なんてしていたら、これから見る光景で頭がおかしくなりそうだ。


下から2段目を引く。


そこにはあたりの品が入っていた。


いや、それにしても多いな!


そこにはパンツとブラジャーがぎっしりと詰め込まれていた。


おそらくだが、タンスの中には10個ちょいと部屋に落ちているのがあるので、それぞれ20個ずつぐらいあるんじゃないか?


俺なんてパンツ5個ぐらいしかないのに?!


なんか悔しいな!


しかし、下着とは言ってもどの下着にすればいいんだ?寝る時用の下着とかあるのか?全くわからない。どうしよう?


まぁ、考えてもわかるはずがない。なので上にあるやつを予備用も含めて二つずつ手に取った。


俺の取った下着は水色と白のシマシマ模様の物だった。


結構好みかもしれない。


つい、それをつけた真昼を想像してしまう。


ニヤケが止まらない。


しかし、俺はすぐさま目を覚めさせるかのように首をブンブンと横に振った。


あいつだぞ?あの頭のおかしなやつだぞ?興奮するんじゃない!


必死に自分に言い聞かせた。


用が済んだので出ようとした時、真昼の机に置かれた写真を見つけた。


その写真を見てみると…そこには真昼であろう女の子と、その同級生か男の子の姿があった。


見るにおそらく小学生だろうか?


でも不思議なことに見覚えのある顔だ。


も、もしかして真昼って…この頃からこの男の子が好きで、みたいな?うわーアニメかよ!やばいもの見てしまったな。


俺はすぐさま真昼の部屋から出た。


そして隣である俺の部屋に入ると、真昼は起きていた。


一様真昼も恥ずかしいかもしれないので、聞くのはやめておいた。


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