第8話 委員会

朝、事件が起こっていたが、なんとか静まった。


今日も、入学2日目ということもあり、授業はなく、HRが2時間ほどだ。


先生が言うには、委員会を決めたりするらしい。


そして付け加えるとすると、この学校は普通の学校とは違う点がある。


それは、一クラスが委員会に入る人数が40人ということだ。

これはつまり、全員が委員会に属さなければならないということだ。

このルールが俺にとって、この学校の唯一の欠点といってもいいだろう。


さらにうざいことが、1つの委員会は、男女1人ずつのペアであるということだ。


たしかに彼女を作りたい奴などからしたらこのルールは喉から手が出るほど嬉しいだろう。


しかし俺は違う。


インキャは一人でいたいのだ。しかもペアが女子とか、絶望でしかない。俺は1つため息をつく。


先生が黒板に委員会の名前を書いていく。委員会は、学級委員の学級委員長、副委員長を始め、放送委員や風紀委員などがある。


俺が入れそうな委員会は…あっ!あった。図書委員だな。そう決意した。読書もとてもすきだが、そもそも他には何するのかもわからない。


「それじゃあ…学級委員で、委員長やりたい奴いるか?」


いつもこんなのって全然決まらないんだよなー。

どうせ数分たったら、先生も諦めて次行くんだろ?


「はい!私やりたいです」


なんと挙手したのは、自己紹介のとき、完全ヨウキャアピールしてた一ノ瀬 来未だった。

ちなみにいうと、彼女は本当に俺にラインを聞いてきた。

本当に驚いたが、ここに引っ越してきて以来、初めてゲットしたライン。一ノ瀬が好きというわけではないが、普通に嬉しかった。


これで今、俺のラインには、両親と、妹、そして4人目の一ノ瀬の名前がある。


あいつなら任せられるな。


俺は上から目線で認める。


そして、副委員長は、大野 将吾(おおの しょうご)という爽やかイケメンが就任した。


そうしてやっとの事で、図書委員の番が来た。


「はい次、図書委員やりたい奴いるか?」


俺はゆっくり手をあげる。


ん?何か俺の右側が動いたように見えた。

もしや…。俺はゆっくり振り向くと…


「「 あ、 」」


そこには右手をあげた真昼がいた。


(嘘だろ?!女の中でも一番ハズレを引いちまったーーー!ただでさえマンションとか同じで、夢の中では殺されもしたこの女が?!最悪だー)


(うそ?!京くんと同じ委員会?やったーーーーーーーーー!これで一年間京くんと同じ委員会!)


「はい、じゃあ図書委員は、森木と宮下で、よろしくー」


このやろう!人ごとだと思って、この女がどれだけめんどくさいか知らねえのか?!そうか、こいつ学校では人気者だったな。


これじゃあ俺は、こいつのお世話係じゃねえか!


最悪だ。


こうして俺は宮下 真昼というめんどくさい奴のお世話係になってしまった。




私は一ノ瀬 来未。

今日から3組の学級委員長になることになった。

よし!これから頑張って、クラスのみんなが一年間楽しめるように頑張るぞー!



(オリジナル小話)

1話 一ノ瀬と京のライン



『一ノ瀬 来未だよ。これから一年間よろしくね』


『うん』


(あれ?森木くん反応薄いなー。結構美人の私からラインが来てるっていうのに、ここはもうワンチャンスあげようかな)


『森木くんって、好きなことってあるの?』


『ない』


『もし何か1つ出すとしたら?』


『アニメとか』


(なんだ、こいつオタクかよ?まぁみんなとのコミュニケーションだよね)


『へー!アニメ好きなんだ。どんなのが好きなの?教えてよ』


『いろいろ』


(ふっざけんなーーーーー!こんなに美人の私が、話してあげてるんだから、喜べよ!なんだよ?!私のちゃんとした文章に対して、「いろいろ」ってなめてんのか?!もう絶対こいつとラインなんてしてやんなーからな!)


一ノ瀬は怒りのせいか、スマホを地面に投げつけていた。

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