第6話 疑惑
これはどういうことだろうか?
俺はとてもやばい状況に出くわしてしまった。
数分前から振り返ってみよう。
俺はホームルームが終わり、することもなく帰る。
しかし、想定外のことが起きた。
オスどもから熱い視線を受けていたあの宮下さんが俺よりもすぐに、教室を出ていた。
(どういうことだ?宮下さんは正真正銘のヨウキャだと思っていたのに。普通はMドナルドとかに行って、騒ぎまくったりしてると思ってた。でもどうしようかなー?俺と帰る方向一緒なんだよなー。で、でも、家が隣なんだから仕方ないよね。よし、帰ろう)
俺は家に帰った。
宮下さんとは数十メートルの距離を開けて。
しかし、不思議なものだ。なぜか彼女はずっとブツブツと独り言を発している。なんだ?け…い…いや、わかんないな。諦めよう。人の独り言聞くとか趣味悪いし。
そうして、彼女は気づいていないだろうが俺は一定の距離を置き、帰った。
俺たちはマンションの4階に住んでいる。
そのため、俺は彼女がエレベーターに乗りこむ姿をしっかりと見て、エレベーターが4階で止まることを確認した。その後、俺はエレベーターのスイッチを押した。その理由なんて簡単だ。俺はヨウキャとは絶対に絡みたくないからだ。
なん?!ヨウキャって自分が偉いとでも思ってるわけ?へっ、笑わせるな。この世で偉い人間は天皇とかだ。お前らみたいなただ威張ってるだけのやつが調子に乗るんじゃねーよ!
こうして、俺は4階についた。
俺はヨウキャの宮下とは会うこともなく…
「京くん、大好き」
こうして今に至る。
(えっ?!聞き間違いかな?今、「けいくんだいすき」って聞こえたんですけど…うん。きっと違うよね! なんかの聞き間違いだ)
うん。と心の中でうなづいたつもりだったが、体も大きくうなづいており、壁に頭を強打した。
「誰かいるの?」
(やばい。誰かに聞かれてたのかしら?系くんが好きだなんて)
(やばい。見つかったかもしれない。ここはひとまず…)
「こっけこっこー」
(やっばい!つい焦ってニワトリの声真似しちゃった。普通なら猫とかなのに。やばいやばいやばいーーーーーーーーーーーーーーーーーー!)
「なんだニワトリか。びっくりしたー」
(ふぅー、バレなかったーって、)
「って、ニワトリがいるなんておかしいだろー!」
思わず渾身のツッコミを入れてしまった。
「あははははー、たしかにー、君ナイスツッコミだねーって、けい…じゃなくて森木くん?!」
(うそ?!どうして京くんが?!もしかして…今の聞かれてたのかも…やばいやばいやばいーーーーーーーーーーー!と、とにかくごまかさないと…)
「そ、そういえばさ森木くん!私、警官好きなんだよね!ほんと、け!い!か!ん!大好きなの!」
(秘技。京くんと警官は似ていて聞き間違いしてましたよ大作戦!)
「そ、そうなんだ。へー」
(なに?!この女なに?!俺を見つけるなり、警官大好きって、なに?!意味わかんないんですけどー!)
「そ、それじゃあ森木くん!また明日!」
(えっ?どゆこと?なんか突然俺に警官好きなんだよねって話してすぐ立ち去ったんだけど。もしかして…この子、頭おかしいのかな?まぁ一様返事しとかないとな)
「うん。また明日」
こうして、2人はドアを開けて、自分の部屋に入った。
真昼は思った。
(ふぅー、ひとまず騙すことはできたわ。やっぱり京くんはスーパーイケメンで性格も天使みたいね。
うふふふふふふふふふふ……………)
京は思った。
(はぁ、疲れたー。宮下のやつあんなとこでなにしてんだよ?!あそこで聞いてたのが俺じゃなかったら、絶対自分のこと好きとかこうしてるんだろわなー。
まぁ、宮下のやつ、可愛いのは可愛いし、めっちゃモテそうだし、俺のこと好きなわけ100%、いや、99.9%ないな。期待も込めて0.1%だけ残しておこう)
2人は思った。
寝るか
こうして2人は就寝した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます