第3話 入学式

私は宮下 真昼。今日から高校生。


私は中学生の時は、ずっとぼっちだった。というよりかは、いじめられる対象だった。


なぜかというと、私は地味な性格でオタクだからである。学校でも本を読んでいると、いつのまにかいじめの対象になっていた。


でも小学生の時は違った。


小学生の時にたくさん遊んでいた幼馴染の京くん。彼だけは違った。単に趣味が合うだけだったのかもしれないけど、私に話しかけてくれる子だった。


しかし私は親の仕事の都合で京くんと離れてしまった。


私はずっと後悔していた。


一言言いたかった。


「好きです」


という言葉を。


しかし、私たちは赤い糸で繋がっているのかもしれない。それに気づいたのは数週間前、京くんが隣人として現れたのだった。


私は驚きを隠しきれなかった。


あの京くんが…私は頭が真っ白になり何も考えれなかった。


結局その日以降も時々京くんと会うことはあったが目を合わせるのが恥ずかしくて会釈ぐらいしかできない。


でもどうしてだろう…。京くんに気づかれなかったとき少し悲しかった。


まぁ、たしかに小学生、中学生の頃の自分とはだいぶ変わったかもしれない。いじめられないためにもまずはインキャオーラを消さなければならない。


そのためにまずは髪の毛を京くんの好きだった茶色に染めた。そして今時の女子高生について調べた。


もちろんアニメや漫画みたいなのでは調べてないからね!


漫画やラノベを買うためのお金を、面白くもない雑誌などに費やした。


全く面白くなくて読むのに一週間ほどかかった。


しかし、そのおかげで今時の女の子を変身することができた…と思う。


そして一週間ほどたっただろうか。


私は改めて運命を感じた。


京くんは私と同じ学校に入学しており、さらに同じクラス、そして…信じられない…私の隣の席…。


私はプリントを見た瞬間にとても恥ずかしくなった。


(おちつけー、落ち着け私、京くんはまだ私のことに気づいてないのよ。ふぅー、おちつけー、深呼吸深呼吸。変な動揺しなければ絶対バレない…はず!

よし!落ち着いていくぞー)


そうして席に座っていると…


「あっ、」


なんと京くんが私に気づいたようだった。


(えっ、京くんが私だと気づいたの?いや、ただ隣人だと気づいただけか。ここは落ち着いてバレないように…)


「あっ!隣の…」


(この対応は完璧だったわね。これならきっと大人の女性みたいな感じで見てくれるんじゃ…)


「森木、森木 京です。宮下さんって新入生だったんですか?俺、宮下さんをてっきり大学生ぐらいかと勘違いしてました」


(本当に大人に見えていたんだー。やったー。でも、気づかれないとちょっと傷つくなー)


「お、覚えてましたよ。森木 京っていう名前は私の幼馴染とおんなじ名前ですし」


(いやああぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!言ってしまったー!これじゃあ、京くんが私の幼馴染だってばらしているようなものじゃない)


「えっ?そうなんですか?まぁこれからよろしくお願いします」


「うん。よろしくね」


(やばい!ちょっと馴れ馴れしくいきすぎたかしら?っていうか顔がにやけてしまうー)


京くんも眠たいのか机に顔を向けたので、私は近くの女子に話しかけた。


順調だ。これなら高校ではぼっちにはならないだろう。友だちと言える…と思う人が数名できた。


それと少し変わったのは、みんなかわいいと言ってくれる。


お世辞だったとしても嬉しかった。


これから私と京くんの愛の物語がはじまる。

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