第2話 これは運命だ!

あの美少女、宮下さんとの出会ってから一週間ほどたったが、特にこれといったことはなかった。時々あったら、会釈をする程度だ。


まあこんな美少女と付き合ったりできるなんて微塵も考えていないので特に悔しがったりはしていない。そんなことより明日は入学式だ。入学初日から恥をかきたくもない。今日はしっかりと寝ておこうと思いその日は7時にはベッドに入った。携帯のアラームは起きる時間とその前後五分間を1分おきにセットした。これぐらいしないと起きれるか心配だ。


俺はベッドに入るとまたしても妄想していた。


宮下さんほどの美少女までとは考えてはいないが、

かわいい子が席の隣だと…ふふふ、ニヤニヤが止まらない。結局その日の就寝時間は3時ほどだった。


最近なれない日が続いている。


翌日、なんとか起きることができた。


とても眠いが適当にエネルギーを補給できるゼリーを手に取り、10秒ほどで朝食を終え、学校へ向かった。


学校に着くと、先生であろう大人の人にクラス分けの書かれたプリントが配布された。


俺がこれから通う才開高校は、私立で、偏差値53ほどで特に特徴もない。しかし、中等部もある大きな学校だ。特徴がないので親を説得するのにはものすごく時間がかかった。


クラスは40人制で、8クラスある。俺は3組だ。


そして俺の隣の席の人は…


「み や し た ま ひ!宮下 真昼!」


思わず叫んでしまった。


3人目の宮下 真昼が登場した。


2人目の家の隣人の宮下 真昼は高校一年生のようには全く見えない。言えば大学生っぽい。そんな彼女のはずがない…と思う。


いや、今度こそ幼馴染の真昼なのかもしない。


そうであること期待して、教室に入ると…そこにはなんと2人目の真昼、すなわち俺のマンションの隣に住んでいる宮下 真昼だった。


「あっ、」


思わず口から出てしまった。


「あっ!隣の…」


彼女も俺に気づいたようだった。


しかし名前が出てこなかったのか少し困っていた。


「森木、森木 京です。宮下さんって新入生だったんですか?俺、宮下さんをてっきり大学生ぐらいかと勘違いしてました」


「お、覚えてましたよ。森木 京っていう名前は私の幼馴染とおんなじ名前ですし」


「えっ?そうなんですか、まぁこれからよろしくお願いします」


「うん。よろしくね」


彼女はニコッと笑顔で返してくれた。


いや、それどころではない。おんなじ名前?!俺の頭の中は混乱していることが自分でもわかる。


確定ではないが、もしかすると俺の席の隣にいる宮下 真昼は俺の幼馴染なのかもしれない。


“キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン”


そんなことを考えている間に友達を作る最初のチャンスを失ってしまった。


少し考えてしまった。俺はこの学校で友達が1人もできないかもしれないと。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る