第五章 第七話

「みんな考えてくれてかい?」

 あの石川さんの衝撃発言から一時間たった司令部内。

「なにも思いつきません」

「なぁんにも~ぉ」

「だめだ……」

「申し訳ない……」

 みんな真剣に考えたよ。でもなにも出てこなかった……

「しょうがないか……分かったよ、じゃあ、僕が明後日ゼラリア本部へ行って平和に終われらせられないか交渉してくるよ……宣戦布告を受諾するまでは殺されないはずだからね」

「最初からそうしてくださいよ……」

  良子さんが言った。ほんとに石川さんのことはなんともおもってないよな……ドンマイ石川さん!

「石川さん意見具申いいでしょうか?」

「なんだい、ミーシャ君」

 そう。影が薄くて気付かなかったが、しっかり、ミーシャさんもいるんだ。くノ一衣装を脱いでいるミーシャさんはますます美人だ。ほんとに美人過ぎて!

「はい。その和平交渉の際ですが、私も同行してよろしいでしょうか?すこし調べたいことがあって……」

「あぁ構わんが、ゼラリアに絶対にばれないようにしてくださいね」

「私を誰だと思ってるんですか?まぁいいです。承知しました」


※※※※※


「ゼラ様……大変申し上げにくいのですが……」

「ん?ニソラどうした?」

「カタルシスがメタ二によって暗殺されました」

 ゼラは持っていたワイングラスを地面に落とした。

 動揺を隠しきれていない。

「なんだって!!!それは一体どういうことだ!」

「私にはわかりませんただ……メタ二が反逆行為をおかしました……」

「許せん。あいつを探しに行く。ついてこい!」

 ゼラは立ち上がり、近くに置いてあった太刀を手に取った。

 そして、扉へ手をかけたとき――

「う……………。どういうことだニソラ……」

「私は貴方が独裁する世界なんて嫌でねぇ。だからあなたには死んでもらいます。いままでお世話になりました」

 ニソラがゼラを刺した。そして、刺した包丁を抜き、また一突き。何度も何度も突き刺した。

「さてと、これだけ刺せばもういいだろう。メタ二出てこい。行くぞ」

「はい」

 クローゼットからメタ二が姿を現した。

「さぁ、世界をあるべき姿へと戻そう。3つの組織が牽制しあう窮屈な世界などもうないのだから!」

そして、二人はゼラリアを去った。


※※※※※


 二人はゼラリア基地を出て、シルフ本部へと向かった。

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