願ったり叶ったりの踏んだり蹴ったり

@tun31

第1話 願ったり叶ったり

カーテンの隙間から春の光が漏れてる日

聞きなれた時計のなる音に目を覚ます。

服を着替え覚めない頭で自分の写る鏡を見ると、そこには見慣れない自分がいる

あぁ...今日から高校生か.....

部屋を出て階段を降りる。降りるたび足が嫌がり心が重くなる。

食卓には何も無い、誰もいない、そんな部屋を見ているが何を思わない。翔は1人

そぉ願い、それが叶ったらから今がある。

後悔など忘れて家を後にした。

暖かな日差しが全てを包んでいる。

桜が舞、自分と同じ服の男女がこれからの生活に夢と希望に溢れかえっている。

しかし翔にはそんなもの石と変わらないくらいにしか見えない。

小さい頃から冗談ではなく、なんでも手に入った、たとてどんなものでも。

いつからか、分からないが最初は自転車だったことを今でも覚えている。

近所の子供が青色の綺麗な自転車を買って貰っていた。それを羨ましい、欲しいと心から思った。そしたら翌日同じ自転車が僕の目の前にやってきた。同じというか......その自転車だった。その子供は自転車に乗ってた所、転倒してしまい足の骨を折ってしまった。

少年はサッカーしていたこともあり、大好きなものを全て奪われたような気持ちになり

自転車なんてもぉー乗らない!!と言ったそうだ。

その時翔はまだ自分の力に気付かず、むしろラッキーと思っていた。あの春の日までは

翔はほとんどの物、時間ありとあらゆるものを手に入れた。学校を休みたいと思うと、風邪をひく、ゲームを欲しいと願うとゲームは手に入るが父は借金をしていた。普通に思うことは叶わない。しかし強く願うと叶う

中学生の時にはそれは自由なものになっていた。

だが、今なら分かる願いが叶うのには厄介な時期だった。思春期。

全てがうっとしく自分が何故か世界一強いとも思えるくらいの時期。そんな時期に願いが叶う。最悪のコンビネーションだ

翔はある日母と喧嘩をしてしまう。とても小さなこと。しかし翔にはそれが歯が折れるほど腹ただしいことだった。

そんな時は目に見えるもの全てがうざい

翔は思った1人になりたい。

そしてそれはかなってしまった。

寝ている時、1階から叫ぶよーな声がした、めをさわし、下に降りるとそこは火の海だった。息が出来ずとっさに2階に駆け上がる。

どんどんどんどん火は広がる。あぁ.......ダメだ.......死ぬんだ、目が焼けるような炎だった。すると後ろから窓を割る音とともに自分が外に引っ張られる。消防団員だった

一瞬は何が起きたら分からなかった。

その一瞬はとても長く続いたような気がする。まるで映画のように家はよく燃えていた。家族はいなくなった。原因は父の寝タバコだった。

しばらくして気がつく。1人がいい.......

確かにかなってしまった。たが.......永遠とは翔も思わなかった。

翔は.......願うことをやめた.......



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