第8話 真の王伝説
中新は、珈蘭の店内奥にある従業員専用のドアを開けた。左側の壁のセンサーに掌を当て、壁に人ひとり通れるくらいの縦長のゲートを出現させて中へ入った。
生暖かい感触を肌に感じながら、下へ向かう階段を二十段ほど下りると、そこには透明で小さな観覧車のようなカプセルがある。中新が近づくと、そのカプセルは徐々に温白色の光を放ち始め、その光度を強くしていった。
中には縦列に配置された2つの椅子がある。前方の椅子に座ると、中新の目の前の空間に氏名と識別ナンバーが表示され、スキャナー終了の文字が。と同時に中新の身体は、透明のシリコンのようなベールに包み込まれていった。
そろそろ薬が効いてきたか。ぼんやりしてきた。久ぶりの感覚だ…。
いくらかの時が過ぎ、重い瞼が細く開いた。中新の周囲の景色が徐々に鮮明に見えてきた。ここは、シャイル界にある自宅の地下だ。カプセルからの光で、地下でも明るい。まだ頭の中がすっきりしない。3錠は強かったか。
中新は、身体の順応の定着を待たずに、カプセルから降りたった。まだ重力を感じる手を空中にかざすと、主を認識した建物が中新を受け入れた。
多元宇宙の解明が進んでいる宇宙、光の国と言う意味で名付けられた、ここシャイルは、世界大戦の経験がなく、優秀な人材を失っていない。その奇跡が文明社会に著しい発達をもたらした世界である。
一つの宇宙から、他の宇宙が分岐していくという説が有力とされ、解明されている宇宙の中で、それぞれ分岐元と思われる宇宙をミドワル界、中新が調整員として生活している宇宙は、
そうしたシャイル界では、この世界の日本を拠点とし、それぞれの宇宙の秩序を維持しつつ、トラブル時に調整する役割がある。重要な界には、調整員を送り込み、定期的に、このシャイル界で会議を開いている。一番の目的は、宇宙の正常な秩序の維持だ。それぞれの宇宙は、違う秩序で成り立っているが、それが崩れると、他の宇宙にも、相互的に何等かの影響があるとされている。
そのミドワル界では、安定時期と変動時期が、約百年単位で確認されている。ここ数年は、時間速度の変動、時空の歪みとみられるデーターの観測から変動期と推測され、王の即位の時期と事象の発生率から、王政との関連を唱える識者もいる。
時間の速度の変動は重力が関係していることはわかっているが、何百億年という計り知れない年月で起こる現象とされている。通常ではありえないことが起きているのだ。
自分が身を置くステラ界で、白石美彩都という女性が真の王であるという可能性も出てきた。このミドワル界の異変と真の王の誕生との関連を確かめるべく、中新はシャイル界へ来たのである。
シャイル界での中新の自宅の中は、ステラ界の昭和のテイストを入れたものになっている。畳の和室があり、黒電話や、レトロな大柄な花の模様のカーテン。この世界には、電話もカーテンも必要ないのだが、インテリアの一つとしている。窓は、合図一つで、好きなデザインのスモークがかかるが、中新はあえて花柄のカーテンを好む。
ようやく、この空気になじんだ身体をソファに鎮めた。軽くなった手をヒョイと上げ、目の前にエアディスプレイを表示させた。
「サライに連絡してくれ。」
「了解。」と女性の声が答えた。
「スクリーンにサライが映った」
「久しぶりだな。サライ。」
「シンさん、久しぶりですね。」
「会議の前に話をしたい。ん?サライなんか疲れてないか?」
「そうなんですよ、ミドワルは大変で。たくさん話したいです。で、どこにします?」
「『ハナコ』が近くていいかな。あそこは落ち着くよ。時間そんなにないから、長くは話せないけどな。」
「分かった、じゃ、5分後くらいかな。」
シンは自宅車庫に待機している、自家用の卵型のカプセルシャトルに入った。『スキャナー完了、認証クリア。前回より、3キロ体重オーバー。あと1キロ増量で、乗車不可』と女性の声のアナウンスが鳴った。
ちょっと食べすぎたかな…。
シンは、ボディカラーを花柄に選んだあと、行先を告げた。シャトルは透明チューブ内を設定した場所まで自動走行する。チューブ内側にはエアが流れており、シャトルの上下、側面に付いている小さな羽の方向転換に沿った動きで、車体の安定を図っている。
シャトルは自宅車庫を出て、幹線ラインに合流した。予定通りに5分で到着。シャトルは自動的に店の車庫に接着し、地下へ格納された。店のゲートを通り、自動認証クリア後、店内へ入った。顔見知りの店員が「『ショウワ』取っておいたよ」と声をかけてくれた。
案内された個室は、居酒屋風で、掘りごたつが置かれている。
やっぱり、いいね。ここは。シンが座って部屋を見渡していると、間もなく、背の高いサライが腰を屈めながら入ってきた。
「へぇ、こんな部屋は初めてだな。シンさんの趣味もなかなかいいですね。やっぱり、ミドワルより、そっちのほうが良いと思いますよ。」
「そうだろう?俺は、元々、ステラで生まれ育ったからな。こういうのが落ち着くんだよ。」
「でもシンさんのお父さんは確か、ここで生まれ育ったと聞いてますよ。自分の親が、小さい頃に、よくシンのお父さんと一緒に遊んだと聞いてました。いつの間にか、ステラに行ったって。」
「そうなんだ。そういう転界も珍しくないが、当時は、ステラ界の存在が、分かってはいたが、まだまだ未知の世界だったからな。何年かで帰ってくる予定が、気に入ったんだろうな。情報を定期的に、シャイル界に提供することで、夫婦で拠点をステラの日本に置くことにしたみたいだ。そんで、自分が生まれたということだ。もう親父もお袋も亡くなったけど、満足だったと思うよ。シャイルには無い魅力がステラにはあると言ってたよ。自分がその跡を継いでいるが、親が気に入っただけはある。不満に思う事は何にもない。」
「シンさんのいるステラ界は良い世界なんだろうな。羨ましいです。」
「でも、ミドワルの方は、危険のリスクもあるけど、その分、報酬は大きいだろうが。」
「そうですね。あの界を安定させたら、すごい名誉な事だから。でも、命の危険は常にあるから緊張の連続なんで。最近は、それが、きついんです。」
中新はここで登録されている『シン』という名前を久しぶりに耳にし、たるんだ心身が引き締まった思いがした。
「そうか、それで、そんな一気に老け込んだ顔してんだ。で、そのミドワルでの様子を会議の前に少し情報を入れておきたくて。というのも、実は、自分のステラで、あの記しを持つ子を見つけたんだ。確か、百年は現れていないんだろ?体調にも変化出てきているから、もしかしてと思って。」
「やっぱり、そういう事か。シンから話があるなんて、よほどの事だと思ったよ。そうなんだ、だいぶ騒がしくなってきてる。城の側に、フラン国の創始者ともいわれている、ルネスの王の石像があるんだが、その眼が赤く点滅を始めた。ということは、どこかで、真の王が誕生したことを意味する。それで、民衆は大騒ぎになってて。」
「その眼が光ったのは最近か?今、その子は、今、十七歳だ。生まれて、もうだいぶ経っているが。」
「いや、生まれてすぐは光らない。即位は十八歳になった日から3日間という期間が決まっていて、その日が近づくと、その者は原因不明の病気になったり、石像の眼が光るというような現象が起こる。そう言い伝えられているから、今言った現象が起こる時期には合致しているよ。」
「もしかしたら、その子が女王に即位すれば、ミドワルの秩序は安定するのか?」
「ちゃんとした即位ならそうなる可能性はある。ただ、即位には、他にもいろいろ条件があるし、今の女王が黙っていないと思う。詳しい事は、会議に参加予定のコハクいう女性の調整員から説明がある。これまでの経過についても、コハクの方がもっと詳しいから、その時に話してもらう予定だ。」
「分かった。それと、真の王の即位にミドワルの時空の変化が絡んでるとか聞いたことあるが。そうなると、ただの即位とは意味が違ってくるな。」
「そうですね、これまでの、王位の即位の状況によって、そういうデーターがあることも、確認されていますが、統計的な話なので、あくまでも仮設にすぎません。」
「そうか、これから、解明が進むかどうかだな。そろそろ行くか、サライ。会議はスカイボール1だったな。遅れると議長のオーキは厳しいからな。何言われるか。」
店の中の車庫の地下へつながる通路を通り、認証をいくつかクリア、格納されたシャトルが待機するスペースへ着いた。店の者もこの場所は知らない。この国の秘密調整員のシャトルは他の者にあまり触れられないように車庫の地下に格納される事になっているのである。
乗り込んだシャトルは透明チューブへとつながるホールへ吸い込まれ、チューブのトンネルの中を地下の奥深く走行していった。シャトル自体は浮いて走行するため、摩擦がなく、静かで速いが、暗く目の前の走行の状態を示した画像を見るだけなので、あまり楽しめない。セキュリティ面でもあまり余計な情報は良しとはしていないのだろう。
10分ほどで、明るい空間に出た。そこは地上ではなく、地下空間に形成された一つの街である。天候のコントロールも可能な、人工的な空と太陽の光もある。
その空間によく映えた花柄のシャトルは、幹線ラインからいくつもの球体型の会場が集まっているエリアへ流れるラインへ降りて行き、その中の一番大きな球体に吸い込まれた。自動的に車庫へと流れ、指定のスペースに接着した。
シンはシャトルを降り、全身スキャナーを通過後、スカイボール1のゲート認証もクリアし、室内へ入った。中には椅子が円形に並んでいるエリアがあり、シンは、その椅子に座ると、コンタクトレンズ型のデーター表示機器であるプロジェクションアイ(PJアイ)を両眼に装着した。シンの目線にナンバーと顔写真が映し出された。
「よし、準備完了だ。これで、声が出せる。」
議長のオーキや、コハク、サライも準備完了していた。ここへ来れない調整員はオンライン映像で参加する。そのライブウインドウでの他の調整員も、次々とスタンバイしていった。
「時間内に全員揃ったようだな。」
議長のオーキが、PJアイを通して、どの方向からも見える大きな3Dエアディスプレイを中央に提示。画像や発生した声はすべて、ここに記録される。
オーキが進行を始めた。
「今回は、定期の会議ではないが、察知しているミドワル界で重要な動きに関して、シンの方から提起があり、緊急に開いたものだ。早速だが、シン、問題提起してくれ。」
室内の照明が消え、宇宙を模した空間が広がった。
「では始めます。PJアイに情報を提示した。今配布したチップにも送ったので、確認してほしい。」
それぞれの腕時計に、シンとサライとの話をまとめたものが入ったチップを装着し、それらの情報を、各々、自分の脳に落とし込んだ。
「この通り、ミドワルでは、百年以上も即位がなかった真の王の存在をめぐって、騒動が起きている。そして、即位の条件の一つである、紋章の記しを持つ者をステラ界で確認した。真の王の即位と、宇宙秩序の乱れとの因果関係は未解明だが、これまでの経過から、この界の王政の不安定は自然災害や、時空の異変などの時期と合致している。他の界への影響も予測されることから、ミドワル界の王政の安定を図らなくてはならない。真の王が正式に即位すれば他の界への影響も食い止めることができると考える。後の詳細をコハクが説明します。」
ミドワル界で調整員として、サライとともに、送り込まれているコハクが説明を始めた。
医師として、ミドワル界の衛生環境などの調査もしている。女性だが、身体が大きく、声も大きい。音声はそれぞれの耳元で明瞭な音声が流れる為、メンバーは、コハクの話が始まる前に、慌ててボリュームを下げた。
中央のスクリーンに映像が映し出され、コハクの声がメンバーの耳元で響く。
「それでは、始めます。みなさんもミドワル界については、専門的な教育を受けて、いくらかの知識はあると思いますが、基本的なところからお話します。まずは、ミドワル界の概要について。ミドワル界から、ステラ界、シャイル界へ分岐していったと考えられていますが、どの時点での分岐かはまだ解明されていません。ステラ界におけるヨーロッパでは、幾度かの火山噴火による影響で、大規模な異常気象が起こり、その後、当時の政治や、異常気象による飢饉が影響し、フランスでは市民革命などの記録があります。しかし、ミドワル界では火山噴火による異常気象記録が確認されていますが、その後の経過が不明確であり、歴史的な建造物も朽ち果て原形を留めておらず、それらしき跡で、分岐時期を解析中です。このミドワル界における、地球全体の文明の発達が著しく遅れ、このフランスを中心としたヨーロッパが、全地球の中心となっているようです。そのため、ミドワルでは、中世のフランスの影響と思われる多くの景色や建物が色濃く残っていると考えられます。大きな革命は起きることもなく、フラン国と名称も変え、王族の独裁が長期にわたって続いたとものと考えられます。」
「真の王の即位は記録には残っているのか?」とオーキが聞いた。
「はい、これまでミドワル界はある条件下で即位したものが真の王とされ、それ以外は血族で王位を継承してきた王族が中心に支配してきました。現在はこのカイ女王によって支配されていますが、真の王ではありません。真の王の即位に関する事と、その王政はほとんど記録に残っていません。記録のある歴代の国王の家系図は、チップに入れたので、確認お願いします。ある老人の話では、百年近く前に石像の眼が光り、赤毛の真の王が即位したとする言い伝えがあります。今や伝説となっていますが、即位した期間は、国が潤い、政権も安定したとされています。」
「即位の条件があると聞いているが、記録が無いとなると、それも言い伝えなのか?」
「そうです。『真の王伝説』として、言い伝えられています。即位の条件として、映像のように、身体のどこかに紋章型の記しが刻まれている事、石像の胎内に三つの神器が収められている事とされています。三つの神器とは、銀の櫛、黄金の太陽と称された金の台座を持った水晶、もう一つは紋章を象った赤い石です。それらが、すべて揃った時に、石像の眼が光り、真の王が誕生するとされています。これまでも、身体の記しを持つものとして、何人も現れましたが、人工的なものや、紋章とは似ても似つかないものであり、像の眼は光ることもありませんでした。ただ、石像の中には、一つ足りないものがあります。それは紋章を象った赤い石です。その石はいくつか欠片となっており、欠片の一つが王冠に組み込まれているとされていますが、その石は元々は鉄色で、即位に関連した時期に赤くなるとされています。しかし、王冠自体の確認が取れていません。もちろん欠けている他の石の存在も分かりません。しかし、揃っていないにも関わらず、石像の眼が光りだしたという事は、どこかに石の欠片が存在し、やはり、真の王が誕生したと、大騒ぎになっているのです。」
シャイル界のメンバー、ライブウインドウの中のコナが発言した。
「真の王が即位すれば、安定するのはわかったが、現在のカイ女王の王政はどんなものなのか?支持はされているのか?支持されていれば、今のままでも問題ないのでは?」
「ここからは、私、サライがお答えします。これが問題なんです。独裁も独裁、ひどいもんです。これまでのほとんどが、中世のヨーロッパによくあった、血統性による独裁政治です。近親結婚の繰り返しで、病弱な子供が多く、大人になっても、まともな政治もままならず、その上、天候不良などでの幾度かの飢饉にも、国民には何の手当もありません。それどころか、農作物などの物納、作地の使用料や、税金などを巻き上げられ、幾度と、市民の反乱が起きていますが、それらも武力で制圧してきました。カイ女王も、例外に漏れず、そういう王政を継承してきました。ただ、カイ王女王は、ある時から、これまで以上に、思想や経済力を抑圧し、飢饉下でも政策も取らず、国民の怒りとなるエネルギーを産む環境をも制圧しています。飢餓で亡くなる人も多く、反抗的な態度をとった者には、拷問も容赦なく、それによって死亡したり、行方が分らない者も多いと聞いている。それだけに、カイ女王は、石像の眼が光るという騒動で、国民の真の王に懸けた期待から、今までにない大きな反動の盛り上がりを感じており、いつ暴動が起きてもおかしくないと危惧しています。」
「じゃあ、サライ、真の王が即位したとしても、そんな強い圧力なら、潰されてしまうのではと思うんですが。」
「コナ、それが違うんですよ。真の王が即位してしまえば、どんなものでも、寄せ付けない力が宿ると言われています。だから、手出しが出せなくなる即位の前に、真の王となる者の抹殺を企てようと、あの手、この手で、探している。」
「寄せ付けない力ねぇ、そんなものが本当に存在するのか?何の根拠もない。それで、あの手、この手とは、何かそれらしき、情報はあるのか。」
ルネの質問にコハクが答えた。
「神の力とか魔法などが本当に存在するのかというのは問題でなく、それを信じているミドワル界の人々の気持ちに寄り添うことが大事で、ミドワルを語るのに、その存在を否定してしまうと、相手の心理状態を探れない。無鉄砲な武力での制圧では、死人を多く出すだけです!」
コハクは、ルネの薄っぺらい質問に強い口調で言い放ち、話を続けた。
「さて、情報ですが、魔術師の起用も確認しています。この魔術師の素性がよくわかりません。ミドワル界の者ではなさそうで、人の記憶をコントロールするとか、夢の中に入り込み、居場所を探すことができる魔力があるとされています。それと、ミドワル界での時空の歪みの影響と思われる、ミドワル界とシャイル界、ミドワル界とステラ界との交差がいくつか確認されています。この現象を、どこまでカイ王女が、理解し、利用できるかは未知数ですが。」
コハクは、大袈裟な溜め息をついたルネを、睨みつけた。
「サライ、王族に仕えるもの、または城の内情を知るものと、機密にコンタクトは取れないのか。」
オーキが質問した。
「取れます。王族の中にはカイ女王の独裁を良く思わない者もおり、今、話した内容は、その者からの情報でもあります。」
サライが続けた。
「補足ですが、ある老夫婦からの情報です。実は、三十年前、一度だけ石像の眼が光った事があったが、国民が騒ぐのを抑圧するために、その時の国王がすぐ石像の眼に何かで塞いだと言っています。それに、真の王の候補は誰も現れませんでした。そして、後にある青年が記しを持つものとして現れたことがあったが、二十歳は過ぎていたから、もし十八歳の時に来ていたら、という事も話していました。でも石が見つからない事にはどうにもならないですが。その青年の行方も分かっていません。」
オーキが質問した。
「分かった。だいたいのイメージはできた。シン、そのステラ界の記しを持っている者は、石は持ってないのか」
「確認は取れていないが、持っているようだ。今、調べてもらっているところだが、ただ、一つ気になる事がある。その者は追われる夢をよく見るとのことだ。その魔術師の影響も懸念される。居場所を探られる可能性も考えておく必要があると思っている。」
サライが追加した。
「確かに怪しい動きをしている魔術師とされる者の存在が確認されている。突然現れ、どう取り入ったのか、政治の方針を決めるのにかなり重要な地位となっている。ここ数年のことだ。」
シャイル界でオーキの部下である、アルコが発言した。
「夢の分析や、意思のコントロールを研究している者もシャイルにはいる。そういった研究員が魔術と称して、入り込んでいるとも推察されるが、今のところ、そういった報告はない。それにメリットがあるとも思えない。意図が分からない。もう少し調べてみることにします。」
オーキがまとめた。
「時空のゆがみが、今までになく頻発しているという観測データーも確認されている。また、夢を通して、居場所を探す事は出来ない事もない。敵も焦っているだろから、一刻も早く、我々は、真の王の即位で、ミドワル界の安定を図らなくてはならない。シンはもう少し、情報を集めてくれ、あと、その子から目を離さないよう頼む。サライ、コハク、その魔術師の正体の解明と、その青年も気になるな。ミドワルで、協力できるものを集めてくれ。国民の動きにも注視するように。ステラ、ミドワル界のこの件に関係する者らにも周知願う。緊急行動を指令する。」
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