第04話 やっぱり隠蔽 でも それでも会えるから



「Meiちゃん忙しくてなかなか彼氏と会えない?」

「はい、寂しいですけど、でも・・・。」

「きちんと付き合ってくださいって言われて・・・」

「照れてるMeiさんも可愛らしいですね。」

「止めてください!ポッ」


Meiさんの恋も順調そうだ。僕の方も順調に育ってきてますよ。お互い頑張りましょうね!




みどりさんとやり取りしてから、もう半年。メッセージのやり取りから通話に代わり、以前以上に幸せを噛みしめる僕。仕事にも力が入る・・・・わけでもないが。サボってるわけではありませんよ?


始まりの言葉を伝えてから、僕とみどりさんの間隔は縮まったように感じる。メッセージのやり取りから通話に変わったことも大きいのだろう。やはり触れ合うことってのは大きいものなんだと感じずにはいられない。

まあ、やっぱりみどりさんは忙しそうで、僕から連絡はできそうもなく(しても繋がらないのですよ)みどりさんからの通話を待つしか無いわけです。


ある日のみどりさんとの通話。


「○○さん、わたしと会いたいと思ってくれていますか?わたしは会いたいです・・・」


みどりさんが急にそんな事を言いだした。


みどりさんに事情があり、会うことはまだできないと言ってたのに・・・なにかあったのだろうか?


「そりゃ会いたいですよ。みどりさんと触れ合いたい。デートしたい。たくさんのことを一緒にしたい。そう思うことはやっぱり抑えられませんから。我慢で抑えてるだけです。みどりさんのこと大切ですから。」


会えないのに伝えていいのか悩ましかったが、彼女も素直に会いたいと言ってくれたわけなのだから、僕も素直に伝えることにした。


「あの・・・条件がどうしてもついちゃいますが、あと2月程でもしかすると会える日ができるかもしれません。えっと・・・条件なんですけど…私が変装しちゃうので、外見はわからない形でのデート・・・になっちゃうんですけど。

どうでしょうか?」


みどりさんにはいろいろとあるみたいだ。どうしても見せちゃいけないんだろう。でも、別にみどりさんの外見を好きになったわけでもない。みどりさんと会話してみどりさんの本質なところと思う、そういうところが好きになったわけだから。条件なんて問題ない。


会えることのほうが嬉しいわけなのだから。


「うん。別に問題ないよ。外見とかでみどりさんのこと、好きになったわけじゃないから。ただ、見たくないわけじゃない。やっぱりみどりさんの全部を知りたいと思うのはやっぱりあるわけで。

まあ、そこはいつか見せてもらう日まで楽しみに待たせてもらいますよ。今は会えることに一番の喜びを感じます。」


「ありがとう。上手く仕事とか調整して会える日を作ります。ほんと、楽しみ。」


みどりさんが今すごく良い笑顔をしている、そんな想像をしてしまった僕だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る