68 ファンタジーの世界は烏が大流行り ≪5≫



 3年前、カクヨムで中華ファンタジー小説を書こうと決めて、参考にしたいと思い、カクヨムでそして書店で買ったりして、女の人の書いた中華ファンタジー小説をいろいろと読み漁っていた時。


 その頃の流行りは、2つあったように思う。




 1つ目は、男顔負けの格闘技を持つ女の子が主人公。


 主人公の女の子は将軍とか剣術指南とか、男と互角に戦えるほど強い。

 そのすご技で、敵国の兵士や、この世を支配しようと企てている魔物と闘う。


 男の人が書いたものもいくつか読んだなあ。

 アニメの『ドラゴンボール』を活字で読んでいるような感じだ。


 しかし、いまはほとんど見かけない。

 いまはカテゴリーが、<異世界>なのかもしれない。


 武器の名前や繰り出す技に、漢字の難しくもかっこいい名前がいっぱいつけられていた。

 あれは作者のオリジナルなのか、それともネタ本があるのか。

 ものすごく知りたい……。




 2つ目は、ちょっとどんくさい目立たたない女の子が、周りのお妃候補に苛められながらも、いつのまにか皇帝に見染められて無事に結婚出来るというもの。


 俗にいうシンデレラストーリーだ。


「今どきの女の子でも、棚ぼたの結婚に憧れるのか?」

「結婚って、するまでよりもしてからのほうが大変なんだぞ」


 少々冷めた目で読んでいたのだけど。

 いつのまにか、こういうお話も少なくなったように思う。





 ……ということで、中華ファンタジー小説でいまの流行りを、私の独断と偏見で言い切ってしまうと。


 皇帝と妃、もしくは宮女と宦官のコンビで、仲良く助け合って後宮で起きる事件を解決するというもの。


 ジャンルは中華ファンタジーで、タグはミステリー。

 やっぱりミステリーは、エンタメ小説の王道だ。

 誘蛾灯のごとく、読者を惹きつける。


 しかしながら、このミステリーもなかなかに取扱注意商品ではある。


 不思議な事件とその謎解きという形のミステリーは、人気があるぶん、古今東西の小説の中でほとんど書き尽くされている。

 それでどうしても既視感がついて回る。





 これからの中華ファンタジー小説は何が流行るのか。


 ここで前回の②<長編小説としての王道の構成>に戻るのだけど。


 『後宮の烏』を読んでいて、私は次の流行りについて閃いた!

 しかし、そのことについては、またいつかの次回ということで。(笑)





 ******


 からすからすはどう違うか、ご存じですか。


 烏という漢字は象形文字。

 カラスは体全体が黒く、目がどこにあるのか分かりづらいため「鳥」の字の「目」に当たる部分の横棒を一画省いたものとなった…、ということだそうです。


 鴉という漢字は形声文字。

 牙(ガ)はカラスの鳴き声。

 牙(ガ)と鳴く鳥で、鴉なんだそうです。


 ファンタジー小説のカラスは、烏の字が使われている。





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