プレーンソング/保坂和志

小説とはストーリーありきだと思っていたのですが、どうやらそうでもないようで……。劇的な展開なんて何もないんだけど、それでもスルスルと読み進めることができる空気感。この感じ、なんと表現すれば良いんでしょう。もちろん、好きな感じなんですけど。心地よい空気感と裏腹に、「何をもってして小説とするのか」という根本的な質問を突きつけられたようにも感じました。気の許せる仲間たちと、生活をシェアする感覚……すごく懐かしいです。心のなかで眠っていたノスタルジアが、優しくゆり起こされました。猫好きには、たまらん小説ですよね。

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