物語の命題/大塚英志

武道では修行過程を「守破離」と三段階で表すらしい。物語る際の守・破は、物語の要素を型として学ぶことで大きく前進すると思う。その点で、大塚氏の取り組みは非常に興味深い。しかしキャラクター、ストーリーに続き、テーマまで型に落とし込むとは。こうなると、守の段階で、誰でも面白い物語を作ることができる。破に至る者も多いだろう。離へ至るには、はやり「才能」と呼ばれるものが必要なのだろうか。それとも、訓練の積み重ねだけで至るのだろうか。この物語の解体の果てに、やはり言語化できない文学の核のような「何か」が残る事を期待。

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