嗚呼、なんだっけ

@kamisummer

昔の事だったと思う

子供の頃の話だ、母が良く「言ったでしょ」と言っていたでしょう。


まぁ憶えていないのだ、母が言っていたことも、母が怒っていた事も。

母はそう言って諦めていた。


ある日の事だった、私は憶えていた。

けれども遅れた口実に「あぁ、忘れてた」と話した。

しょうがないと言った口調で催促して、母は自分の部屋に降りた。

今も覚えている、その「忘れていた」は私の中に残っている。


いつかの事だった、私はイジメられていたと聞いた。

その時、私は気にしてないと言った、事実だとその時は思っていた。

私は怒りを忘れていた、怒った事は憶えている。

だが誰にどう怒って何が起きたのか、きっと多過ぎたのだろう。

私は変わらない日常と変えなくてはいけない努力を忘れていた。

私の中には今も、抜身の怒りと置き場所を忘れた鞘が転がっている。


また、ある日の事だ、久し振りに学校へ行った。

その、更に月日のたった後に友に会った。

私にも友がいた事を、私は忘れていた。

私は、勉強が友より劣っていた、当然だった。

どうしようもなく、遅れというものはあるものだった。

しかし、忘れてはいなかった。


俺がした勉強は、今みんなが既にやった所の更に基礎だ。

けれど憶えていた、嫌で嫌で仕方のなかった筈の勉強なんて。

俺は今忘れられている、やる気は起きないが・・でも進んでいる。

それは一歩づつだったが、後退していた頃より真っ直ぐに進んでいる。


私は、忘れていた。

俺は、憶えていく。


結局のところ、私には先があった。

俺がどんなに心から俺を嫌っても、私が忘れていただけで。

自分は根底的に傲慢で、思い出せばなんてことの無い変化。


でも忘れてたものなんてそんなものでしょう?


いずれ、また今日の事を私は忘れる。


故に俺はここに書き記す。


 嗚呼、忘却よ。

 願わくば、永遠に忘れられよ。






















ここからは蛇足だ、まぁ読まなくて良い小話です。

結果論で言えば思い出したのは、全くの一切合切。


関係無かったんですよ


私は辛い現在が過去になって、

それを忘れたが為にまた学校に行って。

でも俺が同じ失敗を繰り返したか...は書けませんね。


今、私が覚えるべきは文学と数学と、あとは英語位ですよ。

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