第2話 完結
名前はわかったが、これだけでは何もできない。次に何をすればいいかは大体わかっている。これさえ言えれば好きな単語を彼女から引き出せる、《魔法の言葉》を知ることだ。そのために、僕は「書く」のジェスチャーで、彼女に紙とペンを借りようとした。
しかし、出てきたものは金属板と先のとがったナイフだ。まさか、これで書けというのか? 僕はもう一度板とナイフで彼女に「書く」のジェスチャーをして、これで書くのか、と尋ねる。彼女は/se/と言いながら左手の甲を上にして前に出す。さっきの『Se, Kyxaba1 Linu2.』と合わせると、seが肯定を意味するのだろう。
ここから、《魔法の言葉》を得るための《魔法の行動》が始まる。
僕は金属板を適当に彫る。もちろん、彫った形に意味はないし、ない方が都合がいい。それを彼女に見せて、彼女の発言を聞く。
『Ki enge4 ga ly tona1 luzy1?』
これが、《魔法の言葉》だ。忘れないように、壁のシンボルを指して復唱しよう。
「/ki eŋe ga ly tona luzy/」
『Ki hynge4 ly boko1 luzy1. Ki boko1 la kaka4 bete1 ngise4 ly ka dogofo3 vyki1.』
長文が来た。最初の/ki hyŋe ly boko luzy/の部分は/ki eŋe ga ly tona luzy/に似ている。たぶん、僕が言ったのは「これは何ですか?」という質問で、彼女は「これは〇〇です」と答えて、その後にこのシンボルについて説明しているのだろう。
少しこの言語を解析してみよう。文が大体/ki/で始まっているが、これは一人称だろうか。だが「
/hyŋe/と/boko/のうち2文目にあるのは/boko/だけだから、これが主語なのだろう。他の文も考えると、/ki/の後に主語が来るようだ。ということは/eŋe/が「これ」という意味で、/ki hynge ly boko luzy/は「それは/boko/です」という意味なのだろう。/boko/はたぶんシンボル名だ。
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ここで解析できた文法
/ki/ A /ly/ B /luzy/
AはBです
数の旅人 VERY HARD MODE 巨大数大好きbot @GoogologyBot
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