第3話この世界について

「私達の世界には、人間・エルフ・獣人・骸骨・魔人、そして異世界人、瑠璃さんみたいに違う世界から来た人達がいるわ。

 異世界人達は、この世界に入る時に言葉が分かるようになっているそうなの。お互いに、言っていることが理解できてよかったわよね。

 この世界の中心が世界樹と言われていて、その世界樹がこの森の中央にあるのでこの森を中心に3つの大国があるのよ。

 

 エルフの国【ツリー】は世界樹を囲むように広がっていて森の中央部分に、森の上半分からは獣人達の国【ラト】、森の下半分に人間の国【ロウキ】分かりやすいでしょう? 

 3か国の関係は安定していて貿易や留学の交流もあるの。今は戦争はしていないのよ。


 他には、国に属していない村もいくつかあるわね。

 国が治めていない土地ならばどこでも住むことは可能なのよ。だから犯罪者の町や村もあって・・・・・・。

それぞれの国の騎士や警備隊が対策はしているけれど、なかなか上手くいってないの。」

悲しそうに話すマリー、優しくマリーの肩に手を置くレオ。


「次は各国の住民だけど、【ツリー】はエルフ族のみ、【ロウキ】は大部分が人間だけど、首都の一部と村によっては少人数の他種族がいるわ。異世界人は【ロウキ】に何人かいるみたい。この辺は私達よりも【ロウキ】に行くことがある友人の方が詳しいと思う。

 【ラト】は獣人が多いけれど、他種族の人も多いわね。【ラト】ではどの種族の人でも国民なら財産や権利等が平等であると法律で決まっているし、色々な種族が集まっているからどんな種族の人でも暮らしやすいと言われて人気の国よ。

 私達は【ラト】の国の民なのよ。


 次に魔法だけど、エルフ・骸骨・魔人は魔法が使えて、獣人は魔法は使えないけれど体の機能を強化する能力があるわ。

 そして、人間や異世界人、両親の片方が人間か異世界人である子供は、魔法も身体機能の強化も使えないの。


 他には、生活の事やお金の話は、簡単な説明本があるからそれを読んでもらった方が良いかな。

読んでわからなければ聞いてね。」


 そこまで話して、レオを見つめるマリー。

「そうだね。大体こんな感じかな。

瑠璃さんは今の段階で、質問はあるかな?」


「異世界から来た人たちは元の世界に変えれるんでしょうか?」


 レオとマリーは首を振った。

「元の世界への帰り方や帰れるかどうかは知らないんだ。

 異世界人に聞くか、大きな国の首都とかに知っているような人がいるかもしれないけれど・・・・・・。

異世界人は【ロウキ】に数人いると聞いたことがあるから、【ロウキ】で彼らに聞いてみると良いと思う。」


 暗い表情になっていた瑠璃だが、まだ帰れないと決まったわけじゃないと分かり少し安堵している表情になった。暫く黙っていたが2人に質問した。

「私、人間の国に行って異世界人に会ってみようと思います。あの、人間の国へはどうやっていったらいいんですか?」


「今僕達がいるのが森の下の方【ラト】になるんだ。

【ロウキ】に行くには、【ツリー】を超えて行かないと行けない。【ツリー】は朝早く出発すれば夕方頃に着く。

その後【ツリー】で転移門を使うか、飛行船でいくか、馬車か歩きかな。」

 レオの言葉に頷くとマリーが情報を追加する。

「そうねぇ。転移門が良いと思わ。転移門は事前の申請で受理されれば無料で使えるの。

異世界人なら回数制限付きで無料で使えるわよ。確か人間の国が立替て支払ってるって聞いたような気がする。

後、人間の国に行ったら仕事の紹介や支援金を少し貰えるんじゃないかしら? 」

 2人の話を聞いて、嬉しそうに微笑んだ瑠璃。

「転移門が無料なのは助かりますね。

レオさんマリーさん、色々教えてくださってありがとうございました。」


 気が付くと異世界に来ていて、初めての骸骨を見た時にはショックで気絶。だが優しい骸骨達にこの世界の事や異世界人の事を教えて貰って、瑠璃は元気が出たのか希望を持ったのか目に力が戻ってきた。

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