第15骨「次の目的地へ!死霊使い!」
「マスターありがとう! あたし、マスターのためなら死んでもいい!」
――って既にあたし、死んでるんでした!
はっはっはと
「当たりが出たらもう一本的な、アイスの棒的な骨なの? これ集めてなんか意味あるの?」
疑問符が飛び交う咲愛だったが、真相は誰にも分からない。
本来なら死霊使いである俺が蘇らせることができるはずなのだが……
「まあ、きっと全て
「マスター、
安定の名前いじりをされてはいはいと受け流す俺。ただ一つ分かることはこの骨だけが残ると言うことはやはり俺たちを狙う誰かがいると言うことは間違いないようだ。
「一体俺たちを狙って何を企んでるんだろうな……」
首を傾げながら歩く俺たち、そこに物影から何か
「また魔獣! もうしばらくは見たくないんだけど……」
三人は戦闘態勢に入り、物陰から出てくる何かに備えた。俺たちを狙う何者かは意地でも俺たちを消したいようだ……
しかし、物音はするものの、今回の魔獣はなかなか姿を現さない。しかし、ただそこに何かがいることだけは分かる。もしかして刺客ではないのだろうか……
遂に、痺れを切らせた咲愛が路地裏を覗いた。
「あ!」
「これは……豚!? 猪!? ってか牙すごっ!」
三人の目の前に現れたのは豚にも猪にも似た動物。その瞳はじっとこちらを見つめて動かない。
「これは……バビルサだ」
特徴的な牙の形から、俺は一発でこの動物が何か分かった。黒瀬家の玄関にもこのバビルサの頭骨が飾られており、頼央は毎日この頭骨を眺めていた。
「本物が見れるなんて……感動だ!」
「え? レアな動物なの? まあ確かに見たことない動物だけど……」
バビルサは長く湾曲して伸びた下顎の牙を持ち、上あごの牙も上に向かって大きく伸び、自らの上あごの肉を突き破る。牙は自らに向けて歪曲し、その姿が悪魔的と言われ、死を見つめる動物と言われている。
「バビルサの見つめる方向に、俺たちの目的地、
「見つめてる方向、あの砂漠地帯なんだけど……あっち行かないといけないの……」
バビルサが凝視していた先は何もない大地。あの乾いた道なき道を渡ると考えるだけで意気消沈する咲愛を見兼ねた莉愛が言った。
「最悪、一回死んで荷物として運んでもらったらいいじゃん。んで着いたら再生してもらう」
なんて強引な輸送方法だと思ったが、そのような命の冒涜とも言える方法も、これから作戦として使っていけるのかと新たな知見を得た気分になった。
「はーん、あたしに死ねって言うのね、莉愛は……」
良い案じゃない、と言ってサムズアップしていた。
それでいいのか、姉よ……
「でも、あたし自分で歩く。あたしたちの残機もいくつあるか分かんないしね!」
たしかに言われてみればそうだった。死んでも蘇れると言っても、何度も蘇ることが出来るのかは検証しないことには分からない。だから咲愛の言うように、むやみに死ぬよりもできるだけ死に戻りは最低限に留めておいた方がよさそうだ。
正直なところ、眷属が人間であることはデメリットもあるが、メリットも多いように感じていた俺は、ここで貴重な戦力を失うのは痛手に思った。それになにより、話相手がいる冒険は楽しい!
「じゃあ決まりだな、目指せ次の目的地、
俺たちは《エルンブ》をさっさと離れ、次の
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