第7骨「揉んじゃいました!死霊使い!」
「食べ物の情報いる? うちの好きな食べ物の情報いる?」
「そりゃ必要だろ。死ぬ前に何が食べたいか分かるし……」
「最後までおもてなし精神を忘れないってことね。なるほどねー」
咲愛は腕組みをしながら、黒瀬の詭弁を軽く聞き流す。
「マスター、私たちこれからどうするの? まあ私はマスターに従うだけの淫乱肉便器奴隷なんだけど」
「いや、18禁奴隷ではないんだけどな」
「さっき、胸、揉みましたよね?」
莉愛は先ほどのことを根に持っているようで、棘のある語気で俺を突き刺してきた。
「あれは……あの、なんだ不慮の事故だ」
「マスター、不慮の意味知ってる?」
冷ややかな目で俺を蔑む莉愛、あれ? 俺ってマスターなんだよな……
「悪かった悪かった……」
この件についてしばらく話した後、俺は話を本題へと戻す。
「で、俺たちの向かう先なんだが、まずは
俺は至極真っ当な意見を述べた自信があった、マスターとして一番しなければならない最善の選択をしたつもりだった。
だが……
「マスター、
「あの
もちろん、俺はそんなこと知っている。だって、そこには俺の父さんがいるのだから。
黒瀬家は一族で死霊使いである。ということはもちろん、父の
「結局、お父さんに会いたいってこと?」
「まあ、将来の花嫁候補をお義父さんに見てもらうってのも必要よね……」
茶化しながら咲愛はそう言っていたが、俺の思いが伝わっていない風ではなかった。
「マスターが行くって言うならあたしたち行くしかないでしょ! まあ何回も死ぬだろうけど」
「マスターがそこまで言うなら私たちも随行するわ。――秒で死ぬけどね」
二人とも、
俺は
「すべての生き物が辿り着く最終駅。最果ての場所、命の終焉所って感じでしょ。
「初期装備で魔王城に向かう勇者がいるのかって話よね。無謀、あまりにも無謀だわ。それでも行くって言うなら止めはしないけど」
俺は骨がたくさんある場所と言うことは知っていたので、ただのゴミ捨て場、死体遺棄の廃棄場とばかり思っていた。そこはやはり俺が思っているほど単純な場所ではなかったようだ。
「じゃあ、俺たちの行く末を占ってみるか」
俺はそう言ってポケットを弄る。こういう時のために持ってきていたものだ。
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