第18話
【表現】『』は口に出さぬ言葉
吊るされた大きな鳥籠に囚われる魔女は獅子王に目的を問うた。
戦いに飢え、強者を求めた末に、敵意を向けさせる為だと告げられた。
魔女は少年が自分を助けに来る、と確信が持てない。
一度きりの関係、それは不要だから――ではなく、いまだに彼女を思っているから、ではないか? と。
裏切られ、爆発した感情が収まり、冷静になれば彼女の過ちを許容するかもしれない。
離れがたく愛しているなら――と考え、可能性に囚われる魔女は自信を失っていた。
少年が来ないなら、それは良い事だ、とも考える魔女は一度、獅子王に負けた少年が再び負けると思ったから。
一度は助かったが、二度目はない、可能性もある。
愛してしまった人が死なないなら、それは良い事だ、と。
暇な時間は、過行く時の感覚を鈍らせ、答えが出ぬ思考を止めない。
………………。
開かれた扉から現れた少年を迎えるため、王座から立ち上がった獅子王は少年へ歩み寄る。
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