9話:おじさんと牢獄
―――――
――牢獄の中にいる。
なんでやッ!
事の
大聖堂、っつーか、この
聖都の城門入り口から大聖堂までは、大人の足で歩いて
そりゃもう、疲れるわな。疲労
大聖堂に到着すると、美形な男女の聖職者、聖職者とは云っても、やたら俗世間的な恰好、端的に“性的な”恰好をしとる。例えるなら、ホストとキャバ嬢、そんな感じ。
こいつらが、これでもかッ、ってくらい、もてなしてくれるんだ。
酒に食事に温泉、寝床、ついでに演劇やら演奏、あらゆる娯楽まで。
そりゃ~もう、
聖都への
この大聖堂って場所は、そういう純真
最初に
美男美女なら接待役として、体が丈夫なら兵士として、無能であれば奴隷として、一生従属させられる。
全ては、大領主“
大司教ゼノグラシアラザボス
「聖都ソドムは、魔王ニコニコムーンによる侵攻に
全ての救世主教徒の力を結集し、
ま、こんな
とにかく、疲れた。やたら疲れた。圧倒的、悪魔的、疲れた。歩き疲れて
そりゃ~、
“うきうきデカパイ大魔王モード”で見た目はおっぱいぷるんぷるんの美少女だが、何せ中身はおじさん。そりゃ~、テンション爆上げ。
イケメン聖職者もやってきたが、そっちは無視しておねーちゃんたちの接待を受けたわけ。
ニャルロッテはすぐにでも大司教と接見したいと云っておったが、そんなんはいつでも会えるんだから取り敢えず休もうと説得し、食事の席についた。
ぴっかぴかのグラスに注がれた酒を一杯飲んだだけで、顔真っ赤。
出された豪華な食事は、松屋やすき家の味付けで慣れさせられた
ニャルロッテが、
そりゃもう、気分良くて、乱れるよね?
「パンツ見せろや~、パンツ見せろや~!」
いつの間にか、
ニャルロッテもお酒に弱いらしく、先に寝てしまっていたので、
――そして、
気付いてみたら、
鉄格子のついたきったねー牢屋の中で寝ていた――
スマホで確認したら、もう3日もここに閉じ込められていた。
ラッキーだったのは、ニャルロッテも一緒の部屋に閉じ込められている、って事。
流石に
彼女がいるから、大天使、というか、大魔王テイストをかろうじて保っていられる。
食事は日に2度、看守が持ってきてくれる。
とは云え、きったねー上、くっせースープとかっちかちのパンのようなものだけなので、とても喰えない。
そこは大魔王。魔術で飯を生み出して、ニャルロッテと二人で喰う。
正直な話、魔法を使ってここから脱出することくらい、多分、
ただ、それをしないのは、ニャルロッテがどうしても大司教に会いたい、と
彼女が肌身離さず持っている
故郷の教会の司祭では手に負えない程の神聖なモノらしく、聖都の大司教であれば分かるはず、と旅に出たのが切っ掛けらしい。
まぁ、なんというか――今、こんな目に
ただ、
だからこそ、留まるのを了承しとるんだけど。
どういうことかと云うと、だ。
ニャルロッテの持ってる石版から
それに、ニャルロッテを襲っていた野盗ども。彼女の話を聞く限り、明らかにニャルロッテを知った上で追い掛けていたっぽい。
何者かに引き渡す、野盗どもはそう語っていた、と。
引き渡すってのが、ニャルロッテ自身なのか、あるいは、その石版なのかまでは分からない。
しかし、確実にニャルロッテをターゲットにしていたのは事実。
ついでに、彼女は
古い言い伝えってのはどうでもいいが、空から降ってくる半裸おっぱいってのは、ほぼ確実に
つまり、あのポンコツ女神が裏で手を回している証拠。
こりゃ~、なにかあるわけですよ、はい。
ストーリーとかシナリオ関係は、一切ノータッチ。
まったく、筋書きのないドラマ、とかいりません!
攻略本なら攻略本らしく、ネタばらししろ、ってんだ。
まぁ、それはそうと、ちょっとこの辺りの謎解きがてらに、もう暫くこのきったねー牢獄の中にいてやりましょ。
なぁ~に、
いざとなったら、キャンいわしたるわ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます