新しい世界

明日野莉央

序章

昔から、何から何まで受動的に行動してきた。


能動的に行動することなんて何一つとなかった。


「主体性がない。もっと自分を主張しなさい。」


よく周りに言われた言葉で、「私」を表すにはもっともな言葉でもあった。


周りの人の言うことはすべて、鵜呑みにしていた。


世界はすべて、周りの人の言う通りなのだろう、と。


そうしているうちに、「私」はいつの間にか高校生になっていた。


騙されたり、嘘をつかれたり…そういったことの積み重ねだろう。


いつしか人を疑うようになっていた。


友人はそんなにいなかった。


信じられる人が多くなかったからだ。


心を閉ざしているときにある人と出会う。



「自分を信じろ。信じられる何かを見つけられるはずだから。」



そうだ。


今までは、すべて周りに流されていたんだ。


私を捨てていたんだ。


捨てられていた私を拾う。


世界が違って見えた。


「私」が想像していたよりも私というものは好奇心旺盛なようだった。


楽しいことをやろう。


気になることはとことん突き詰めてみよう。


出し惜しみはしない。


精一杯生きてみよう。


こうして私は一歩、踏み出した。


「新しい世界」へと...

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