第2話 呪い返し

結局その日の帰りは無事に家に帰って、寝た。


翌日の朝、学校に行く途中で、急に飛び出して来たバイクに腕を引っ掛けられるまで、その事はすっかり忘れてた。


病院に行って、腕に包帯を巻いてもらっている時に、友達からSNSが来た。


…どうした?交通事故だって? (°▽°)


…まあな、でも大丈夫、大したことない。p(^_^)q


…お前が、SNSの噂を拒否ったからだ。( ̄∇ ̄)


友達からのメッセージは続く。


…学校の女子の間では、その事でスゲー噂になってるぞ。(*゚▽゚*)


なんだそりゃあ?俺はあきれ返るが、友達から連チャンでメールが来る。


…リストから2人選ばなかったから、事故にあったって。( ̄∇ ̄)


俺は、即座に打ち返す。


…交通事故なんて、良くある事じゃん。ƪ(˘⌣˘)ʃ


ついでに一番大事な事を送る。


…それに俺、死んでないし。( `ー´)ノ


俺が交通事故にあった事で、また新しい噂が広がっているようだ。早く登校して、例のSNSを否定しなければ。


病院で治療を終えて学校に行ったら、皆んながビックリした顔でオレを見ていた。


学校では、オレは既に交通事故で凄惨な死を遂げた事になっていた。その理由は、例のSNSの噂だ。


何でも、昨日交通事故にあった女子からSNSを受け取ったのに、誰にも回さなかったので、交通事故で凄惨な死を遂げたのだと。


その、俺が主役のストーリーは、オレが病院から帰って来た後もしばらくは残っていた。


だから、オレが廊下を通ると、他のクラスで俺を知っている女子はビックリしていた。


昨日交通事故にあった女子が、実は2人にSNS通知をしていたという話を、俺がクラスの女子にすると、俺が主役のストーリーは、今度は別の噂話にすり替わっていた。


昨日交通事故にあった女子は、噂に従って2人にSNS通知した。しかし、通知した2人の中で、男の子から呪い返しを受けたのだ、と。


だから、噂通りに実行したのに女子は交通事故にあい、呪い返しをした男子もその呪いが自身に跳ね返ったため、今日軽い交通事故にあったのだと。


なんかなあ~。ああ言えば、こう言う、の世界だなア。


なんか、一生懸命に否定するのが馬鹿らしくなってきちまった。『触らぬ神に、祟り無し』ってやつか?でも、あっちから関わって来たんだしなア。


まあ、あの時の女子としては交通事故にあってしまったから、もう危ないSNS遊びはしないかな?一応、聞いてみるか?


…よう、元気?('ω')ノ


打ってから気が付いて、追加で打ち直す。


…あ、交通事故で入院してんだっけ。ごめんな。( *´艸`)


肝心な事を伝える。


…まあ、俺が止めちまったから、呪いが返ったって話しになっているけど気にするな。(*´▽`*)


…うん、大丈夫。ありがとう。(*^^*)


彼女からは、一呼吸おいて返事が返って来た。大丈夫そうで良かった。


…君が、あそこで止めてくれたから、私は死ななかったんだもの。(^^;)


あれ? なんか又変な話になってるのか?


…なんだ、話が見えないぞ?(+o+)


意味不明なので聞き返す。


…あの噂話にはもう一つ裏の話があって、( 一一)


少し時間が経ってから返事が来た。


…通知を10回繰り返すと、最後に2人に通知「させた」人は次の日に無残な死に方をするの。(T_T)


次のメールは直ぐに来た。


…あなたは通知をしなかったから、私は死ななかったらしいの。(≧▽≦)


なんだ、それ。何?裏話って。それ、後出しじゃんけんだろう。現実に起こっている事を、後から無理やりこじつけようとしているだけじゃん。


さすがのオレも、胸糞悪くなってきた。


…とにかく、気にするな。('ω')ノ


直ぐに打ち返す。


…何かあったら、SNSをやる前に俺に相談しろ。<(`^´)>


彼女には、俺を頼る様に伝える。


…分かった。ありがとう。(*^^*)


返事はすぐに返って来た。

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