恐怖はSNSから始まった

ぬまちゃん

第1話 昨日の夜は何食べた?

晩飯を食べてベッドに横たわり、ユーチューブで動画を観ていたら、イキナリ、クラスメートの女子からSNSで連絡が来た。


…もうご飯食べた?(^^)


…どうした、こんな時間に

何かあったのか?( ̄▽ ̄)


…ちょっと相談したい。(//∇//)


普段クラスでは会話する事も無いのだけれども、涙目マークで懇願されたら、まあ断れない。


…オッケー、(^^)v どうしたの?


オレは軽い気持ちで返事を送った。


…昨日の夜は何を食べたの?


なんだ?この質問は。

まあオッケーしちまったから、一層懸命思い出して答えた。


…カレーライス、トンカツ付きかな?d( ̄  ̄)


俺の回答に即行で返事が返って来た。


…ありがとう、m(_ _)m


少しだけ間が空いたのちに、次のメールが送られてきた。


…実は女子の間でアブナイSNSが流行ってるの、(≧∀≦)


更に連続でメールは続く。


…そのSNSを見たら、自分のSNSの登録済みリストから新しい人を2人選んで、


…その2人に同じ内容を送るの。( ̄∇ ̄)


…24時間以内に。_| ̄|○


なんだそれ?

昔流行った、チェーンメールじゃん!

なんだ、リバイバルか?

新しいSNS版か?


…隣街の女子高生は、それを無視したら、


…次の日に交通事故で酷い死に方をしたそうよ。_φ(・_・


…ゴメンね、変な事お願いして。m(._.)m


…一人には、お願いしたんだ。\(//∇//)\


…でも、二人目が見つからなかったの。(//∇//)


全く、全然昔と変わらないオチじゃん。

もう少し進歩って言う言葉はないのか?


…分かったよ、でもオレは何もしないから。(^^)v


…明日は交通事故に気をつけるよ。d(^_^o)


…それじゃあ、おやすみ。(-_-)zzz


女子も大変だなあ〜

SNSリストが切れたらどうするんだろう?

倍々ゲームだから、あっという間にリストの上限に達してゲーム終了だぜ。


こんなの、チョット冷静に考えれば分かるじゃん。


さーて、それじゃあ、風呂入って寝るか。


***


翌朝学校に行くと、女子の間で大騒ぎになっていた。


昨日SNSをくれた女子が、交通事故にあって重体だそうだ。


加害者の運転手によると、女子の方がフラフラと車道に飛び出して来たそうだ。

まるで何かから逃げる様に背後を気にしていたらしい。


でも、それって加害者側の話だし、全て間接的に聞いた噂話だからなあ〜。

事実は、彼女が交通事故にあった、この一点だよなぁ。

女子達、騒ぎすぎじゃないか?


オレが席に着いて、カバンから教科書とスマホを出していると、大騒ぎをしている女子の中から一人がこちらに近づいて来た。


「おはよう!』

「ねえ、私達のSNSのうわさ聞いてる?」


「遂に犠牲者が出ちゃったわ、今朝交通事故にあった子、SNSリストから2人を選べなかったらしいの?」

「それで呪いにかかって、交通事故にあったらしいわよ」

「後ろから誰かに追い掛けられていて、そこから逃げる様に車に突っ込んだそうよ」


ホラホラ、もう話が一人歩きしている。

さっきの話と違うじゃん。


だって、彼女はちゃんと昨日の夜2人にSNSしてるんだぜ?

それなのに交通事故に遭うなんて、既に噂話は破綻してるんだよな〜。


明日までオレが無傷だったら、その事実を女子に伝えてSNSの噂話を破綻に追い込んでやる。


まあ、その為には今日は交通事故に注意して帰ろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る