第3話 それ、はSNSから始まった

最初は、軽い冗談のつもりだった。


昔のメールでチェーンメールという遊びがあった。


最初のメールはハッピーメールと言って、皆に幸せを送るメールだったらしい。

このメールを10人に出すと、貴方は幸せになれます、と。


ところが、いつの頃からか、呪いのメールへと姿を変えていった。

しかし、それに尾ひれがついて大変な事になっていった。


これは呪いのメールです、24時間以内に同じ文面で10人の人にメールしないと、貴方は死にます。


外国人のジェーンさんは呪いのメールを無視したら、きっかり24時間後に、奇声を発して自分から井戸に飛び込んで亡くなりました。


私は、呪いのメールと同じ事をSNSで始めた。

最初は、軽い冗談だった。


それが、いつの間にか恐ろしいSNSとして拡散し始めた。

学校の女子の間では大流行してしまっていた。


もう、冗談では済まされない。


このままでは、通知すべきか・しないか、を本気で考えてしまいノイローゼで自殺する女子が現れてしまうかもしれない。


このままでは、まずいと思った私は誰かに助けを求めた。

クラスメートの中で、迷信に一切興味を持っていない男子に白羽の矢を立てる事にした。


予想通り、その男子は私の悩みを真剣に受け止めてくれて、迷信だと一蹴してくれた。

これで、この噂話が消えてくれればと思ってた。


しかし、翌日、不思議な事に信号無視の車に跳ねられてしまった。

しかも、翌々日は、SNSを無視してくれた彼も交通事故にあったそうだ。


SNS上では、もう私が作った噂ではなくて、誰かが作った、まったく新しい噂が流れていた。


まるで今起きている真実を追認する形で。


彼は、心配してSNSで連絡をくれたけど、これからSNSで何が始まるのか、もう私には想像すら出来ない。


SNSに、一番最初に恐怖を投げこんでしまった私に、今度はどんな報いが来るか、病院のベッドの上で恐れている。



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恐怖はSNSから始まった ぬまちゃん @numachan

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