少女・Sixth


 私は、彼が好きになっていたのかもしれない。

 それに、生前のことは関係ない。

 私は、……記憶をなくしてからの今の私は、

 彼に、惚れてしまったのかもしれない。

 今の「私」にとっては初恋。

 でも、真の「私」にとっては、二度目の恋になるのかな?

 霊と、ニンゲンの、許されざる恋。

 それでも、私は彼が好きだった。

 でも、私は彼に自分の気持ちを明かさない。

 だって、それが彼のためにならないと知っているから。


 私は、霊。

 死んだ、存在。

 生きた存在とは、相容れない。


 いずれ記憶は戻る。

 その時になったら、全部わかるの。

 全部…………


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