第25話◇ 詩穂の日記◇12頁目

〇月✕日 2日目の始まり


アラームの目覚ましの音で目が覚めだ。

時刻は6時半。あれから1時間くらい眠っていたみたい。

7時から10時が朝食バイキングの時間だから、それまでに、ざっと身の回りを整えてから着替えて行かなくっちゃ。


このプランではチェックアウトは12時だから、あまりバタバタしなくても済むのは有難い。


二人とも起き上がって、まずは下着と部屋着を急いで身につける(やっぱり恥ずかしい)

それから洗顔、歯磨きを済ませて、わたしは、さっと化粧水と乳液にクリームをつけて、軽く白粉を叩き、手早く口紅だけをひく。


口紅だけでもひくと、スッピンじゃない?(わたし視点)から見苦しくないかな、と。


慶ちゃんに

「これでも大丈夫かな?」

と聞くと

「うんうん、綺麗だよ」

って言ってくれたから、良しとしよう。


わかってる。今は慶ちゃんの目には恋フィルターがかかってるから、だからそう言ってくれてるってこと。

でもいいの、それでも素直に嬉しい。


そして、鏡の中のわたしは、自分で言うのもなんだけど、確かに肌に張りがあって瞳は輝いている。普通の10倍増しくらいに見える(気がする)のは、やっぱり恋の力?


貴重品だけを持ってから、部屋のドアを開ける。

一緒の部屋から出かけるって、なんだか不思議な感じ。


それからエレベーターでフロント横のラウンジに向かう。


席に案内されてから、さて、と見ると、わぁー!なかなかに豪華なバイキング。

サラダバーとドリンクバーがあって、白いご飯に、温かなお味噌汁、だし巻き卵、なんと嬉しいトロロ芋、ナスの煮びたし、ほうれん草の胡麻和え等など、お漬物も数種類。煮物に鶏の唐揚げ。洋風に焼きたてパンとベーコン、オムレツもある。スープもあって、蒸し鶏にシューマイ、デザートも数種類。


早速、お盆を持って何にしようかなぁと目がキラキラしてるわたし。

まず飲み物はお茶、それからサラダでしょう。ドレッシングは和風にしよう。

やっぱり和食かなぁ、トロロかけご飯にしちゃう。お味噌汁にナスの煮浸しにほうれん草の胡麻和え、唐揚げ、蒸し鶏とシューマイも少しずついただく。

せっかくだもんね。ここは焼きたてパンも美味しいとのことなので、小さめのパンも1つだけ。欲張り過ぎ?大丈夫、お残しはいたしません。


慶ちゃんを見ると、こちらも同じようなメニューで思わず顔を見合わせて笑う。


席に戻って、手を合わせて

「「いただきます」」

美味しいねぇとニッコリ。


そんなに特別なものじゃなくても、大好きなひとと一緒だと美味しさも倍になるんだね。


デザートのフルーツとアイスを食べて、

慶ちゃんは温かな珈琲。

わたしは、ダージリン・ティーにした。


時刻は8時過ぎ、余裕を持って早めに来て良かった。

今になって混み出しているみたい。


大満足で部屋へと戻る。

そういえば……スルメ買ってたなぁ。

けど、さすがにお腹いっぱいなので、持って帰ることにする(お土産これ?)


12時チェックアウトだけど、せっかくだから11時半くらいに出て、駅前を見てまわろうかという話になった。


まだ、時間に余裕があるから着替えていたけど、もう一度、部屋着に。


2人でベットにゴロンってして、腕枕して貰いながら、色々おしゃぺりする。

こういうのも好きだなぁ。


この後、まわる予定の事とか話しながら、時々、ギュッてしたり、軽くキスしたりして。

時間は、あっという間に過ぎていく。

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