第18話 拷問
「お陰でろくな目にあってませんがね、しかしながら悪くないんですよ、これ。
さあて、 あなたが質問したんですから、今度は私の番ですよ?
さあ、質問ですっ! あなたは七つのうち、どこの所属ですか? 」
「…」
奴は口を閉じ、目を逸らした。
「我が主よ、この愚か者に罰を 」
その様子を見た魔女は冷酷にも片手をあげる。
「や、やめっ! 」
奴は怯えるように顔を歪めると、魔女は奴の腹部を左から右へと、ゆっくりと撫でていく。
「いやああああああああああああっ!!! 」
撫でる時間が多ければ多いほどに、ますます切られていくため、矮小な腹部が左から右へ、まるでチェンソーで切っていくかのように切られていく。
「答えてください、どこ所属ですか? 」
「ごう、よくだ」
「聞こえません」
「強欲だよ! 」
少し間が空いたあと、憤怒は言う。
「嘘、ですね」
「!? 」
奴は目と口を大きく開けて、まるで信じられないことが起きているかのような反応をする。
「強欲は金にしか興味がありません、ましてや、名声など眼中にないでしょう? となると、暴食と色欲と怠惰も論外ですし、残るは…傲慢と、嫉妬のどちらかでしょうかね? まあ、この際どちらでもいいです。 両方とも潰しに行けばいいだけの話」
憤怒が言った後に奴の童顔は歪んでいた。
「いや、本当に僕は、強欲で! 」
「嘘ですね、あなたは最初に私が『嘘ですね』と言ったとき、目の奥を大きく開いていました」
奴はそう言われると、また大きく開いた。
「私、わかるんですよ、そういうの」
憤怒はニヤリと狂気じみた勝利の笑みを浮かべた。
相対的に奴は目を大きく開かせながら、驚愕を露わにすして口を開けていると、奴は歯を食いしばった。
「それじゃあー、いっちょ、タルタルステーキにでもしてあげましょうか」
奴の体全体を満遍なく切り刻んでいく。
真っ白であったはずの肌は赤いぐちゃぐちゃに変わり果て、臓器の原型など、保ってはいない。
その地獄の中で少女の皮を被った『彼』は叫んでいた。
「クッソおおおおおおおおおお!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます