第24話 製版会社
前の先輩から紹介されたのは、製版会社のデザイン課だった。
とりあえず、面接があった。
社長は「TV会議とかやっているけど、君はできる?」とか
カッコイイデザインのものばかり見せる。
なんか怪しい。それもチャラい。3代目らしい。
営業部長は、良い人だった頭も良く、理解力も高かった。
ぼくは、この営業部長と話すのが楽しかった。
そして、入社。3ヶ月は試用期間。固定給だったが。経理課が勝手に時給にする。
経費削減がしたかったのだろう。しかし、デザインはそんなものではない。
1ヶ月目が23万。2ヶ月目も23万、経理に「時給で仕事しているのに額が同じな訳ないじゃないですか?」と言うと次の月は28万になった。ふざけている。
職場で、社員扱いは僕と係長だけだった。
あとは二人のバイト、四人の常駐外注だった。
とりあえず、食品の流通チラシを頼まれる。
食品の流通チラシは、最初の会社で、ずっとやっていたので、デザインもデータ作成も問題ない。
しかし、スケジュールが無茶苦茶で、タイトすぎる。
朝9時に終わっても係長が「仕事はあるんだからな。昼2時には出て来い」と言う。5時間しかない。通勤は往復で2時間かかる。仮眠して、シャワーを浴びれば、もう会社へ向かわなければならない。
係長からは、毎日毎日パワハラの連続「フリーでやっていたと言っても素人のクライアントを騙していただけだろう。ウチはレベルが違うぞ」みたいなことを毎日毎日、言われる。
係長は、皆がボロボロになって働いていても夜7時には帰る。
帰る前に僕に捨て台詞を吐いて帰るのが日課なっていたようだ。
3ヶ月我慢したが、もう限界だ。生産部長と営業部長にその事を話す「パワハラに耐えられない」と言うと部長たちは、知らなかった様で、係長が呼び出される。
ぼくは、席を外すように言われ、しばらくするとまた呼び出される。
係長はシュンとしていた。
とりあえず、和解したが、ぼくは、デザイン課には所属していたが、製版課の近くに席を変わらせられる。
係長は、子供なんだな。ちゃんと大人として成長していない。
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