第22話 交代

WEBデザインは面白かった。デザインもコーディングも外国のイケてるサイトから学び、WEBデザイン力もコーディング力も上がっていた。


その頃、スタッフも5人に増え、僕を入れてWEBデザインが二人、画像加工担当とグラフィックデザイン担当とプログラム担当が1人ずつ。

しばらくは、それで落ち着いていたが、ある日、出版社からクレームが入る。


「入稿されるデータに毎月毎月ミスがあり、コチラで修正しているんですよ。修正しているとスケジュールがタイトになり大変なんです。どうにかしてください」と。


グラフィック担当は何も気づかなかったらしい。


そして、社長から「雑誌広告制作を変わってあげてくれないか?」と言われる。

僕は、WEBが出来なくなるのは、嫌だったが、会社の為ならとOKする。

土屋くんからは「なんでOKしたんですか?」と言われる。


僕の雑誌広告は、100%に近いくらいミスが無い。仕事が遅い。と言われていたが原稿に穴があくほど、チェックを繰り替えす。しかし、締め切りは絶対に遅れたことはない。出版社に行って色校を第三者の目で見てチェックする。そこでヌケがみつかることもあったが、ミスした原稿が印刷されることはない。

一度、黒のバックに貼った黒のバック画像が1cmズレていたことがあった。

クレームがあった場合の為に社長に自己申告した。

社長は「えっ!そうなの?素人目には分からないから大丈夫だよ」クレームはなかった。


そして、皆が、仕事しやすい様にとクライアントとの対応は僕がしていた。

するとなんだか、この業界にハマって行っている自分が嫌になってきた。


そして、鬱再発。

3日無断欠勤した。

土屋くんが、「外で話そうよ」と言ってくれる。

僕は、精神科医師の診断書を用意していた。

「しばらく休職したいんだけど、この診断書を社長に渡してくれない?」

土屋くんは、「しばらくゆっくりするといいよ」と言ってくれた。

そのまま辞めることになるが、僕が辞めた後は、皆がクライアントの対応に追われ、仕事が出来なくなり、皆辞めたそうだ。


どこかで聞いたことがあるような話だ。

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