第18話 大手印刷会社

僕は結構考えたが、世界的企業というブランド力に負けてしまい、入社することになる。とりあえず、3ヶ月間は、試用期間。


大手印刷会社と言っても支社のデザイン部の中の5人くらいの小さなチーム。

チームリーダーが最悪で最初の会社で外注デザイナーだった女性、立場が逆転したものだから、僕に対するアタリが強かった。

他に女性がひとりチームリーダーの下に着いていた。


女性蔑視と言われそうだが、ぼくは、女と仕事をしたくない。

すぐ感情的になる、怒る、泣く、もう仕事にならない。

その職場もピリピリしていた。


流通のチラシ、通販のカタログ、ケーブルTVの番組表などを制作していた。

僕は、ケーブルTV番組表の担当になる。デザイン性なんかないフォーマットに流し込んだ文字を毎日延々とチェックする。

あとは、新しくオープンするホームセンターの企画をチームリーダーとやる。

このチームリーダーとはやりたくない。

毎日、貶され怒鳴られ侮辱する。パワハラの毎日だ。


そんな時、一回り下の女の子と付き合い始める様になる。

彼女と会う時間も無い。彼女は深夜3時まで、ぼくの行きつけのBARで待ってくれていたりした。彼女に会いたいので、担当していた仕事を超高速で終わらせ、午後7時くらいに帰ろうとしたら「何考えてるんだ?」と

言われる始末。その課の課長からは、「皆、上のディレクターの企画書みて勉強して徹夜してるじゃないか。お前の徹夜しろ」と言われる。


もう、いっぱいいっぱいなので、高杉さんに相談してみた。

(一度チームから外したが、僕は高杉さんを尊敬している)

「試用期間は、会社が自分を見る期間だが、自分が会社を見る期間でもあるよ」

と教えてくれた。


そんな時、土屋くんから、連絡が入る。

その頃、土屋くんは、あるWEB会社のサーバーをハッキングし、一個データファイルを忘れて来てしまい、そこから身元を突き止められ、その会社の社長から呼び出され、ビクビクしていったら、怒られることもなく「それだけ知識があるなら、ウチの会社に来ないか_」と言われて、入ったらしい。

ハッキングする方もスゴイが、一個のファイルから身元を突き止める方もすごいな。


土屋くんは「今、オーバーワークなので、手伝ってもらえませんか?」

と言ってくる。

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