第12話 DB

デジタル化も徐々に進み、画像もデータ化出来る様になったので、データベース(DB)を作るようにする。

DBがあると写真の流用が出来、製版代が削減出来る。

会社は経費削減が好きなので、あっさり承諾してくれた。


その頃、知り合った高杉さんは、工業大学を中退して、デザイン会社に入り、カルチャースクールでPCを教え、今は、3DCGの会社で働いていた。その会社は相当ブラックな様なので「そろそろ辞めたい」と言っていた。


そこで、高杉さんに「ウチの会社でDB作るんですが、手伝ってもらえませんか?」と電話すると「明日、行くから、よろしくね」と今日付けで今の会社を辞めて、次の日には、来てくれた。

前の会社を辞める前にサーバーの大事なファイルは隠しファイルにして辞めて来たらしい「みつけたかなぁ」と笑ってた。

僕の周りには、なぜか、頭が良くて、おかしな人が集まってくる。


そして、DB制作。

サーバーとレイドを導入。ついでに無停電電源装置もくっつけた。


商品名を打ち込み、画像とリンクさせる。

しかし、できあがったら、簡単だが、0からの始まりなので、結構、時間がかかる「会社に将来は必ず経費削減に繋がります」と説明すると、短期バイトを数人雇ってもらえることになる。

僕は、面接担当。

そこに、土屋くんが来た。

何やら変な空気が漂っている。

宮崎から調理師になりたくてフライパン一個持って来たらしい。そして、詐欺会社みたいなところに知らずに入ったが、いろいろ仕事をして、中卒だったので、通信教育で高校を卒業し、23歳で大学の芸術学部に入学し、27歳で卒業。今に至る。みたいな話をしてくれた。

「スキルより、こいつは面白い」と思って僕の一存で採用した。


このふたりが、今後、僕の人生に深く関わるとは、この時は、夢にも思わなかった。

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