第8話 商道塾

デリバリーピザ屋のバイトは、入って一年を過ぎた頃、リーダー格集められた。

ぼくは、呑気にやっていたが、なぜかリーダー格になっていた。

ぼくの同僚は店長代理になり、胃潰瘍で入院していた。


オーナーの恩師が「商道塾」というものをやっていて、そのセミナーがあるから、出席するように言われる。


商道塾なんて聞いたことない。なんか怪しいなー。

と思いながらもオーナーの指示なので、出席する。


ほとんど内容は覚えてないが、ひとつだけ覚えていることがある。

「人は、話したい欲求がある。10聞いて2反論しろ。10聞いて10頷くと聞いていないと思われる。2反論すると会話は永遠に続き、必ず、気に入ってくれる」


なるほど。でもよく分からないな。

っといういことで、大学で女の子にその手法を使ってみる。

スゴイ効力だ。

みんな満足し、僕の事を気に入ってくれた。


しかし、だんだん騙している様な気がして、その手法は止めた。

女を口説くものではなくて、商いで使うものなんだな。



この頃、上の従兄弟に「ペラペラ喋るな。男は黙ってろ」と怒られる。

また、あの手法を使おうかな?

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